ハリー・ポッターの魔術学校はコレだった!?日本でも注目されている「ボーディングスクール」の気になる中身
世界的な大ベストセラーとなり、映画も大ヒットした『ハリー・ポッター』シリーズの世界を全く知らない人は、そう多くないでしょう。ご存じのとおり、その舞台となっているのがホグワーツ魔法魔術学校で、ハリーやハーマイオニー、ロンら魔法使いや魔女の生徒たちが、ここで寝食を共にしながらさまざまな魔法や魔術について学んでいきます。 このような全寮制の学校は英語でボーディングスクールと呼ばれ、数はそれほど多くないものの、欧米の各地にあります。その歴史は古く、イギリスで15~16世紀にかけて創設された寄宿学校が基になっているとされています。 このボーディングスクール、その歴史的経緯からかつては欧米にしかありませんでしたが、今ではアジアを中心に世界各国にそれらの分校が進出しています。日本にも数校のボーディングスクールがあり、英語を公用語にするなど日本の一般的な学校とは違った教育を行っていることから、大きな注目を集めています。 そこで今回は、このボーディングスクールの特徴やそこで学ぶ利点などについて説明するとともに、私が3歳から高校生までの日本人のお子様向けに留学のサポートをしている、世界各国の有能な子女が学ぶスイスのボーディングスクールについてご紹介していきます。
イギリス王室の子息たちも学生時代をここで過ごす
一般的な学校では、生徒は両親とともに自宅で生活し、そこから学校に通って勉強します。一方でイギリス発祥のボーディングスクールは全寮制で、生徒全員が両親と離れて学校の寮に住み、生徒たちはそこで寝食を共にしながら、昼間は学校の授業でさまざまな教科を学んでいきます。 親と離れて生活することで自立心が養われ、礼儀や儀式、規則に関しても厳しい学校が多いことから、自制心や協調性、マナーが自然と身につきます。また、勉学だけでなく普段の生活も同級生たちと一緒であることから、コミュニケーション能力や公共の精神も磨かれていきます。 イギリスでは王室や貴族の子息だけでなく、富裕層の子息の多くがボーディングスクールで学んでいます。例えば、チャールズ国王は、スコットランドにあるゴードンストウンというボーディングスクールを卒業しました。 一方、チャールズ国王の子息であるウィリアム皇太子とヘンリー王子の二人は、名門ボーディングスクールの一つであるイートン・カレッジを卒業しています。また、ウィリアム皇太子の長男であるジョージ王子も、13歳になったら同じ学校に入学するのではと言われています。 ボーディングスクールの生徒たちは「ハウス」と呼ばれる寮に入り、家に帰ることができるのは、基本的には学期の合間の休暇期間中、または1学年が終了して次の学年は始まるまでの間だけです(毎週末に帰宅することができる学校や、家から通う生徒を受け入れる学校もあります)。 また、卒業生の多くはオックスフォード大学やケンブリッジ大学といった名門大学進学しており、将来のエリートや政治家を育てる学校となっています。