【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第2ステージ】気鋭のオールラウンダー、ケヴィン・ヴォークランが初出場初勝利! “ビッグ4”も動いてポガチャルがマイヨ・ジョーヌに
下りをこなして、大観衆が待つボローニャの街に一番に還ってきた。勝利を確信するまで時間がかかったそうだけれど、フィニッシュラインを目前に、大きなアクションで沿道を煽ってみずからの勝利を誇示。ツール初出場で初勝利を挙げる殊勲の走りを演じてみせた。
「キャリア最高の勝利だよ。最近はトレーニングでもレースでもうまくいかないことが続いていて、自信を失いかけていたんだ。昨日大きく遅れたこともさすがに堪えたね…。でも、“やってやろう”という思いは常に持っていたんだ。我慢していれば成功するときが来ると言い聞かせてやってきて本当に良かったよ」(ヴォークラン)
ジュニア時代にはトラックで名を馳せ、年代のトップを走った。2年前にプロデビューしてからはロードをメインに切り替えて、早くから大きなレースで上位進出を経験した。今年に入ってからはフレーシュ・ワロンヌで2位と大躍進。ツール出場は昨年の冬には決まっていたという。ワンデーレースからステージレースまで幅広く対応するオールラウンダーで、王国フランスの若手の中でも期待値の高いひとり。ツールで名を挙げ、いよいよトップライダーとしての歩みに加速度が増す。
このステージでアルケア・B&Bホテルズは、ヴォークランに加えてクリスティアン・ロドリゲスも逃げに送り込んでいた。ヴォークランが勝利へと突き進む後ろでは、ロドリゲスが追撃の芽を摘む役割を果たした。
「クリスティアンには真っ先にありがとうと伝えたいね。彼は逃げグループに動きをもたらそうと、何度もアクションを起こしてくれたんだ。レース全体をコントロールする仕事もしてくれて、僕のために全力を尽くしてくれた。彼と一緒につかんだ勝利だよ」(ヴォークラン)
歓喜のヴォークランの後ろでは、マイヨ・ジョーヌ候補たちの争いも熾烈なものとなっていた。2回目のサン・ルーカでUAEチームエミレーツがコントロールを始めると、頂上手前でタデイ・ポガチャルが猛然とアタック。大会3連覇がかかるヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)が一瞬反応に遅れながらもリカバーし、ポガチャルの背後についた。これで他の総合系ライダーを引き離すと、両者は協調体制を組んでボローニャの街への下りに入った。
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