同じ年収200万円でも手取り20万円の差がつく…「年収の壁」を逆手にとって手取りを最大化する裏ワザ
■年収130万円を超えると年間31万円程度の負担に 前述の条件を満たさない場合、具体的には勤務先に社会保険制度がない人やフリーランス(個人事業主)等は、年収106万円を超えても自身で社会保険に加入する義務はなく、配偶者の社会保険の扶養に入ることができます。 これらの人が気にするべき次なる壁は「130万円の壁」。これは配偶者の社会保険の扶養からはずれる壁です。年収130万円以上になり、配偶者の社会保険の扶養からはずれると、自身で国民健康保険と国民年金に加入することになります。 仮に、年収130万円となり扶養からはずれてしまった場合、国民健康保険と国民年金で年間31万円程度(40歳以上の場合)の保険料を払うことになります。驚きの金額ですよね。しかも、厚生年金に加入すれば、将来もらえる年金が増えますが、国民年金の年金額は配偶者の扶養になっている場合と同額です。 ちなみに、2023年10月30日から、政府は「年収の壁・支援強化パッケージ」を開始しました。これにより、勤務先によっては106万円や130万円の壁をうっかり超えてしまっても、扶養から外れる必要がない場合もあります。繁忙期などで、勤務時間を増やされることが多い人などは、事前によく確認しておくと安心でしょう。 ■ダブルワークで手取りを最大化しよう このように、「103万円の壁」を超えて税金を負担することになったとしても影響は小さく、稼いだ方が手取りは増えます。一方、社会保険加入義務が発生する「106万円の壁」や夫の社会保険の扶養からはずれる「130万円の壁」を超えると、手取りが大きく減ってしまいます。 そう考えると、社会保険料・国民健康保険料の負担の大きさを実感しますよね。しかも社会保険や国民健康保険は、年収に比例して増えていきます。でも、年収があがっても社会保険料の負担を抑えつつ、手取りを増やす方法があります。 ダブルワークという方法です。 その話をする前に2つの事業所で働いている場合の社会保険の取り扱いについて説明します。ダブルワークと社会保険の加入のパターンは3つあります(図表4)。