ミネアポリス連銀総裁、強い経済は利下げ幅縮小を意味するだろう
(ブルームバーグ): ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は9日、好調な経済と生産性上昇により、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げ幅を従来予想より縮小する可能性があると述べた。
カシュカリ総裁は今月の利下げ後初めて公の場で発言し、トランプ次期政権と新議会による政策がインフレを刺激し、最終的に利下げ幅の縮小につながるかどうかを判断するのは時期尚早との考えを示した。FRBは政策を分析に織り込む前に、どの政策が実行されるかを見極める必要があると述べた。
同総裁はFOXニュースの番組でのインタビューで、利下げ幅は「議会と新政権の目先の計画ではなく、生産性と経済成長にかかっている。成長が維持され、今後も構造的に生産性の高い経済が続くのであれば、恐らくそれほど大きな利下げには至らないだろう」と語った。
連邦公開市場委員会(FOMC)は7日、政策金利レンジを0.25ポイント引き下げ4.5-4.75%とした。2会合連続の利下げを実施した。
9月の利下げ時に発表された予測では、11月と12月の両方で0.25ポイント利下げを実施する可能性が高いとされていた。トレーダーらはその後、12月の利下げ予想を後退させたほか、今回のサイクルを通じての利下げ幅の予想も縮小させた。
利下げが当面休止されるという見通しは、経済面および政治面の状況を反映している。経済は引き続き力強いペースで成長し、インフレ率は9月に上昇、労働市場も数カ月前に懸念されたほど急速には落ち込んでいない。また、大統領に再選されたドナルド・トランプ氏の政策は、新たなインフレのリスクになる。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は7日、トランプ次期大統領から辞任を求められても辞任しないと述べ、FRBの独立性を守る用意があることを明瞭にした。
カシュカリ氏は、FRB理事が14年の任期を務め、12の連銀の総裁が独立して任命されるという構造が、FRBの独立性を維持するのに役立つと確信していると述べた。