「痛そう」「怖い」とイメージされがちな「白内障手術」 施術は局所麻酔で10~30分、一度行えば再び症状が出ることはない 近視、遠視、乱視、老眼も補正可
認知症かと思ったら視力改善で回復
Dさんのように見えるようになったからこそ、“見たくないもの”が浮かび上がってきてしまうこともあるが、それよりもなお視力回復のメリットは大きい。 「手術後、“こんなにしわがあるとは思わなかった”とか、自宅に帰って“家がこんなに汚かったなんて”と愕然とするかたはたしかにいらっしゃいます。 でも、老眼鏡や眼鏡をかける手間、それを探す手間がかからないだけですごく快適だとおっしゃるかたも多い。 目が見えるということは、精神的にもプラスに作用します。仕事がしやすくなったり社会との交流に積極的になったり、外出が億劫だった人が外に出るようになったケースは多々あります」(平松さん・以下同) 目が見えにくくなることで、社会との交流が減れば認知症のリスクも高まる。実際、白内障の症状が悪化して認知症のような症状が出てしまう人もいる。 「食事も自分でできなくなり、歩行も難しくなって、家族全員が認知症だと思っていたかたが、白内障の手術をしたらすたすた歩けるようになって、介助もいらなくなったと家族が驚くパターンは珍しくありません。手術をして目がよく見えるようになると、脳の認知機能も上がり認知症リスクも軽減されるといわれています」 50才を過ぎると、半数以上の人に症状が現れるという白内障。気づかないままに放置すれば悪化してしまうこともあるため、早めの検診が必要だ。 「まだ50才だから、60才だからと思わず、見えにくさを感じたら一度は眼科医に診断してもらいましょう。老眼鏡が合わなくなったり、急に新聞の文字が読めなくなるなど違和感を覚えたときが検査のタイミングです。 白内障の手術は極めてリスクが低いといわれていますが、それでもゼロではありません。自分の目の状態をきちんと把握し、どの程度見えるようになりたいかを医師とよく相談して判断しましょう」 目は一生もの。思いきった決断があなたの人生後半戦を大きく変えるかもしれない。 ※女性セブン2024年11月7日号