第1回から第11回「事業再構築補助金採択企業」分析調査
採択企業 倒産企業の形態別
倒産企業の形態別では、「破産」が308社(構成比91.1%)と9割超を占めた。次いで、「取引停止処分」が12社(同3.5%)、民事再生法が11社(同3.2%)、特別清算が6社(同1.7%)、会社更生法が1社(同0.3%)だった。 採択企業は、小規模事業者が多く、再建の目処が立たず、破産を選択する企業が多いようだ。
採択企業 倒産企業の負債額別
倒産企業の負債額別では、最多が1億円以上の133社(同39.3%)、次いで1千万円以上5千万円未満の85社(同25.1%)、5千万円以上1億円未満の61社(同18.0%)、5億円以上10億円未満が34社(同10.0%)、10億円以上が25社(同7.4%)の順だった。 2023年度の全国企業倒産との比較では、採択企業の方が1億円以上5億円未満の構成比が19.1ポイント高かった。積極的な投資などで負債が膨らんだ可能性がある。 ◇ ◇ ◇ 事業再構築補助金の採択企業は、業績が成長している企業が多く、事業の再構築を通じた取り組みに効果が出ているようだ。ただ、販売不振による倒産企業も増えており、実現性が伴う事業計画の策定が課題となってきた。 また、認定支援機関についても検証が必要だ。5月24日、大阪地裁に破産を申請した北浜グローバル経営(株)(TSR企業コード:576763128、法人番号:7120001173735、大阪市北区)は、採択企業の認定支援機関として315社を支援していた。同社によると、「申請支援サービスが提供できない状況となった」とし、これから申請する企業の一部で影響が出ているようだ。 7月26日まで第12回、事業再構築補助金(サプライチェーン強靭化枠を除く)を公募している。物価高や人手不足、賃上げ、金利上昇などから5月の倒産件数は11年ぶりに月間1,000件を上回った。倒産が増加するなか、事業再編など思い切った再構築を支援する事業再構築補助金の役割の重要性が高まっている。