英GDP、第3四半期確報は前期比横ばいに下方改定 政権に打撃
[ロンドン 23日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が23日発表した第3・四半期国内総生産(GDP)確報値は前期比横ばいに下方修正された。速報値は0.1%増だった。 労働党政権発足後の3カ月間の国内経済がゼロ成長だったことが明らかになった。 サービス部門は横ばい。建設部門が0.7%増加したものの、生産の0.4%減で相殺された。 特にバーやレストラン、法律事務所、広告が低迷。生活水準の向上は見られず、家計が貯蓄を取り崩していることも明らかになった。 第2・四半期の伸び率も0.5%から0.4%に下方改定された。 アナリストからは年後半は成長が止まったことがデータからうかがわれるとの声が出た。 イングランド銀行(中央銀行)は先週、インフレリスクを考慮し政策金利を据え置く一方で第4・四半期の成長率予測をゼロ%に下方修正した。 キャピタル・エコノミクスのチーフエコノミスト、ポール・ダレス氏は、GDPの下方改定は輸出需要の減退が原因で個人消費は堅調だったとし、来年は今年よりも良くなるとの見方を示すものの、年末が近づく中、足元のデータは経済にあまり勢いがないことを示唆すると述べた。 インベステックのチーフエコノミスト、フィリップ・ショー氏は、景気後退を辛うじて回避できる見通しだが、来年初めの利下げの可能性が高まったと述べた。 英国の企業信頼感を示す指標である12月の「ロイズ銀行ビジネスバロメーター」は2ポイント低下し39%と、今年最低となった。 CBIのエコノミスト、アルペシュ・パレジャ氏は、英国経済が深刻な状況に向かっており、企業は生産と雇用を減らすことを予想し、インフレ期待が上がりつつあると指摘した。 リーブズ財務相は、GDP統計は前保守党政権による「15年にわたるネグレクト」後の大きな試練に直面していることを示したとした上で、現労働党の予算は持続可能な長期成長を生むと述べた。 保守党の経済担当報道官は、来年4月に発効する増税をリーブズ氏が緊急に見直す必要があると主張した。 ONSによると、第3・四半期の経常収支は181億ポンドの赤字。第2・四半期の240億ポンドから赤字幅が縮小し、市場予想(225億ポンドの赤字)を下回った。