佐世保市・宇久島「日本最大のメガソーラー事業」を巡って大モメ…断固反対する「漁協のドン」の正体
「お手盛り批判」にはどう答える
――ようやく飯良地区で架台の設置が始まり本格着工だ。計画に変更はないか。 「年間発電量51・5万キロワットのメガソーラーを約2000億円かけて建設、買取価格1キロワット時40円で2025年度売電開始を目指す計画に変更はありません」 ――最大のネックは漁組の承認を得ていないことだ。解決のメドはついているのか。 「漁組の組合長さんとはいろいろと話をして理解を得ている組合もあります。法的根拠や技術的根拠を示して、最終的に認可を出す自治体に丁寧な説明もしている。海底ケーブルの敷設そのものにかかる期間は3~4カ月なので、それまでになんとか理解は得られると思っています」 ――九電関係会社の九電工が太陽光普及のための高額買い取り(40円)を続けていることへのお手盛り批判にはどう答えるか。 「当社は最初から進出を計画していたわけではなく、(ドイツ社事業の)中断に伴い地元からの要請を受けての事業化でした。離島ゆえの工事の難しさや海底ケーブル送電で施設料が高額になっていることもあります。高齢化が進む国境離島をどうするかという別の課題もあり、それらを含めて評価頂ければと思っています」 再生可能エネルギーのさまざまな問題を抱える離島メガソーラー事業は、完成させて売電に漕ぎ着けることができるのか。行方を見届けたい。
伊藤 博敏(ジャーナリスト)