S班陥落後わずか50日で返り咲いた南関の大エース! 郡司浩平が2年ぶり5度目のKEIRINグランプリへ出陣
今年の顔であり、2025年S級S班所属となる9名の選手たちによる一発勝負。競輪界の一大決戦「KEIRINグランプリ2024」が30日、静岡競輪で開催となる。今回はS班陥落後わずか50日でタイトルを獲得し、返り咲きを果たした男・郡司浩平を紹介する。(構成:netkeirin編集部)
ライン戦を重視しながら前も後ろもハイレベルにこなす
野球経験者の郡司浩平は神奈川の強豪校・横浜商業高校の出身。以前netkeirinでインタビューした際には「この風貌からは意外かもしれませんがホームランは打ったことすらなく、野球時代は細かい二番打者タイプ」と自身について説明した。ランナーを進塁させるための送りバント、チームバッティングとしての流し打ちを得意としていたと明かしている。 そんな郡司浩平だが、競輪の世界では特大ホームランをかっ飛ばしているのは言うまでもないが、要所で「ラインのため」への細やかな動きも辞さず、ラインの先頭でも番手でも、時には3番手でもハイパフォーマンスを出せるオールラウンダーである。野球は団体競技だが、「競輪は野球よりもチーム競技と感じることもある」としており、よく言われる「ゴール前、最終的には個人戦となる」にも異を唱えている。南関地区のエースであり、総力を挙げて“みんなで勝つ”を体現している姿が定着している。 今年でKEIRINグランプリは2年ぶり5回目の出場。2021年、2022年と直近2つのグランプリは3着で確定板をとらえている。
グランプリへ一番乗りを決め、その後も高水準で安定
郡司浩平は1班としてスタートした年明け早々に岸和田F1を完全優勝し、V4を誇る地元の顔として挑んだ川崎記念「桜花賞・海老澤清杯」を優勝し、V5を達成。シーズンの幕開けとして最高のスタートダッシュを見せ、「落ち込むこともなく、気持ちを入れ替えて臨んでいる」という言葉を残している。そして勢いそのままにGI全日本選抜競輪を制覇し、年末グランプリへの一番乗り。S班陥落後50日で返り咲きを果たし、心身の強さを証明した。 今年はFIシリーズで2度の優勝、GIIIでは小田原記念で優勝している。そのほか出場したビッグレースでは日本選手権競輪と競輪祭では決勝進出を逃したものの、優勝した全日本選抜、高松宮記念杯、オールスター競輪、寛仁親王牌の4つのGIでファイナル入りを果たしており、サマーナイトフェスティバルと共同通信社杯のGIIグレードでも決勝を外さない高い安定感を示した。中でも高松宮記念杯では北井佑季の前を回って、北井の優勝に貢献しており、同県の絆を全国に知らしめた。 また郡司は今季の活躍を語る際に19年以来に参戦したFI戦が糧になったことを明かしている。「7車立てレースの経験を通じて、レースプランの幅が広がった」と語っている。かつて郡司浩平は「自分が得意とするものは変化する」と話をしていたが、S班陥落をネガティブな経験とせず、ポジティブに受け止めて武器を増やしたのかもしれない。昨年は走れなかったKEIRINグランプリ。今年は舞い戻るとともに主役の座をかっさらっていく。