固定金利より安いから変動金利で住宅ローンを借りたのに、日銀がマイナス金利政策をやめる? うちの住宅ローン、どうなるの?
日本の住宅ローン金利は低水準で推移してきました。2013年(※)から日本銀行(日銀)の金融緩和政策が開始され、その一環として2016年1月からマイナス金利政策をとったことが要因になっています。 しかし、2024年3月ついに日銀はマイナス金利を解除することが発表されました。変動金利で住宅ローンを借りている場合、返済額にどのような影響があり、どう対処すべきかを解説します。
マイナス金利とは?
マイナス金利とは、民間の金融機関が日銀にお金を預ける場合の金利をマイナスにすることです。つまり、民間の金融機関が日銀にお金を預けておくと、金利を払わなければならない状態です。 マイナス金利の目的は、経済の活性化とデフレ脱却です。その仕組みは、金融機関は日銀への金利の支払いを避けるかわりに、企業への貸し出しや投資などにお金をまわすようになると期待されるからです。 この政策の効果の判断基準は、2%の物価目標の達成でした。そして、その見通しが立ったと判断して、2024年3月、ついに日銀はマイナス金利政策の解除を決定しました。マイナス金利が解除されると、市場金利は上昇傾向になるため、金融機関の貸出金利も上がることが考えられます。 住宅ローンの変動金利は、日銀の政策金利(短期金利)の影響を受けるといわれています。そのため、変動金利で住宅ローンを組んでいる人の金利も上昇傾向になると予想されます。
変動金利の返済額は、どこまで上がるの?
変動金利は、市場金利の影響を受けて定期的(毎月・半年など)に適用金利が見直されます。しかし、毎月定額を返済する元利均等返済の場合に、返済額の急激な変動を避けるため、一般的には次の2つのルールがあります。 〇5年ルール 適用利率が変更されても、返済額は5年間変わらず一定。 〇125%ルール 5年毎に見直される新返済額で増えるのは、旧返済額の1.25倍(旧返済額の25%増)まで。 ただし、上記ルールを適用して毎月の返済額が変わらなかったとしても、途中で金利が上がった時にはその分の未払利息が発生します。未払利息の清算方法は金融機関によって異なります。 また、上記ルールがない金融機関もありますので、その場合は返済額の急激な変動に要注意です。そのため、以下の人が変動金利に向いているといえます。 ・金利が上昇してもその負担に対応できるような貯蓄、または所得が上がる見込みがある人 ・繰り上げ返済などでローン残高を減らす予定がある人