【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】自分と年齢が近いアロンソ選手の頑張りに励まされています
連載【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】RACE18 アメリカ、メキシコ、ブラジルで開催されたアメリカ大陸での3連戦は、フェラーリ2勝、レッドブル1勝という結果に終わった。ブラジルGPでマックス・フェルスタッペが優勝したことで、チャンピオン獲得に王手をかけた。 【写真】物議をかもしているフェルスタッペンのドライビングについて語る堂本光一 次戦のラスベガスGP(決勝11月24日)でフェルスタッペンが優勝すれば、4年連続のタイトル獲得が決まる。一方、コンストラクターズ選手権はマクラーレン、フェラーリ、レッドブルが三つ巴の大接戦を演じている。ラスベガスGPを含め、今シーズンは残り3戦。混沌とした状況のチャンピオン争いはどんな結末を迎えるのか!? * * * ■王座を決定づけるフェルスタッペンの異次元の走り 第21戦のブラジルGPは土曜日のスプリントレースと予選、日曜日の決勝も含め、雨によって大荒れの展開となりました。チャンピオン争いをリードするマックス・フェルスタッペン選手は予選でほかのマシンがクラッシュしたこともあり、タイムアタックをすることができず、まさかの12番手に終わります。 さらにフェルスタッペン選手はブラジルGPで新しいパワーユニット(PU)を投入し、レギュレーションで定められている年間の基数以上のPUを使用したことで5グリッド降格のペナルティが科され、決勝は17番手からのスタートになりました。 一方、ライバルのランド・ノリス選手は予選で最速タイムを叩き出し、ポールポジションを獲得。フェルスタッペン選手とすれば、チャンピオン争いをするノリス選手とのポイント差が少しでも縮まらないようにしたい。つまり、ダメージを最小限に抑えるようなレース展開になると思っていました。 しかし、なんとフェルスタッペン選手は17番手から劇的な逆転優勝を飾ります。大雨によってマシンの性能差が縮まったことや、クラッシュが続出しセーフティカー(SC)の導入や赤旗による一時中断があったとはいえ、こんな後方グリッドから勝利をしたのはF1の歴史においても数えるほどしかありません。 雨のインテルラゴス・サーキットで異次元の走りを披露したフェルスタッペン選手は6月の第10戦スペインGP以来となる今季8勝目を挙げる一方で、ノリス選手は6位に終わります。この結果、ドライバーズ選手権でフェルスタッペン選手とノリス選手とのポイント差は62に拡大。ブラジルGPのフェルスタッペン選手のドライビングは、今シーズンのタイトルを決定づけるものだったと思います。 フェルスタッペン選手のドライビングに関しては、今、ちょっとした議論を呼んでいます。メキシコGPではバトルの際にノリス選手をコース外に押し出したことと、コース外を走行してアドバンテージを得たとして20秒のタイム加算ペナルティが科されています。 フェルスタッペン選手のドライビングが攻撃的すぎるという声が一部にありますが、僕は前回も言ったように、サーキットのレイアウトに問題があると思います。現代のサーキットはコーナーの両脇はアスファルト舗装のランオフエリアが設けられていますので、攻める側も守る側もリスクなくコース外のスペースを走行できる状況があります。 もしコースの外側に砂利や芝生などを敷いたグラベルが設けられていたら、どのドライバーも、もっと慎重にならざるを得ません。フェルスタッペン選手は与えられた状況の中で戦っているだけと思います。それは彼だけでなく、どのドライバーにも共通して言えることです。 バトルの際のドライビングに関するガイドラインを変えるという話も出ていますが、コースの改修など、やるべきことがあると思っています。