【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】自分と年齢が近いアロンソ選手の頑張りに励まされています
■優勝のチャンスさえあった角田選手 角田裕毅(つのだ・ゆうき)選手は土曜日のスプリトレースは15位に終わり、かなり苦戦しているように見えました。しかしスプリントレースの後にセットアップを変更し、マシンの速さを取り戻すと、予選で自己最高位の3番グリッドを獲得。 決勝でもスタートで3番手のポジションを守ると、レース序盤は素晴らしい走りを見せてくれました。でも結果的にレース中盤に提示された赤旗が角田選手に味方をしませんでしたね。 雨脚が強くなったレース中盤、ライバルが軽い雨用のインターミディエイトタイヤを履く中、ビザ・キャッシュアップRB(VCARB)は角田選手にフルウエットタイヤを履かせる決断をします。このチームの判断は完璧でした。 角田選手はピットインしたことで6番手まで順位を下げましたが、前を走行するドライバーたちよりも1周10秒近く速い圧倒的なペースで走行していました。もしレースがそのまま続いていれば、前を走るランド・ノリス選手やジョージ・ラッセル選手などを楽々とオーバーテイクし、表彰台どころか、優勝のチャンスもあったと思います。
■ダブル表彰台のアルピーヌが大躍進 ところが雨が強くなり、危険と判断した主催者はSCを導入。さらにSC先導中にクラッシュが発生してレースは赤旗中断となりました。赤旗が出た瞬間、角田選手を応援している僕は複雑な気持ちになりました。 フルウエットは悪天候のときに使用するタイヤですが、最近はフルウエットを履くくらいの雨量になった場合にSCが導入されることが多い。だったら何のためのフルウエットタイヤなんだと感じます。それでは存在する必要がありません。 さらに赤旗が出ると、レース再開時は自由にタイヤ交換ができてしまうというレギュレーションにも問題があると思います。このレギュレーションは過去にも何度か問題になっていましたが、フェアじゃないとあらためて感じ、すごくモヤモヤしました。 それでも角田選手は雨の難しいレースで力強さを発揮し、7位に入賞してくれました。残りのレースも自信を持って戦ってほしいですが、赤旗の恩恵を受けたアルピーヌは2位と3位のダブル表彰台を獲得。コンストラクターズ選手権でハースとVCARBを一気に追い抜き、ランキング6位に急浮上しました。 ただアルピーヌ(49点)とランキング7位のハース(46点)、同8位のVCARB(44点)のポイント差は僅差です。熾烈なランキング争いは最終戦まで続いていくと思います。マクラーレン、フェラーリ、レッドブルによるコンストラクターズ・チャンピオン争いもどんな結末になるのか楽しみですが、この中団勢の動向も見逃せません。