MTK、平田工場の機能強化。建屋拡張・磨棒鋼生産効率化
中部地区の磨棒鋼メーカー、MTK(本社・岐阜県岐阜市、社長・松原豊文氏)は、平田工場(岐阜県海津市)の機能強化に向けた投資を実施する。第二工場建屋を現行の2倍程度に拡張し、今年秋にも完工した上で年内をめどに本稼働を始める計画だ。スペースを広げることによって生産の効率化、工程整流化を図るとともに、需要構造の変化に合わせた設備増強を中長期的に行うことで、生産性向上を目指す。総投資額は約5億円。 同社平田工場はバー・ツー・バー引抜、センタレス加工、切削加工、熱処理を手掛けている。2019年には、直動レール用異形磨棒鋼の将来的な需要増加を見越し、第二工場を増設した上で熱処理炉を導入した。 1991年の開所以来第一工場へ順次設備を追加してきたものの、近年では手狭となりレイアウト変更も難しい状況にあった。 第一・第二の両工場で機械の配置を工夫し、より効率的な生産を実現することを狙い、配管など付帯設備が老朽化していることも考慮して第二工場の増築を決めた。 第二工場の建屋面積約1900平方メートルに対し、およそ2倍に当たる約3800平方メートルへ拡張する。昨年末から基礎工事に取り掛かり、現段階で建屋外部が完成している。クレーンの設置工事などを進めた上で今年秋の竣工、年内の本稼働スタートを目指す。 スペース拡充による機械類の配置変更だけでなく、研磨工程や引抜ラインの一部をはじめ老朽設備の更新も推進する。生産性向上と安定生産を両立し、製造実力を高めていきたい考えだ。 ユーザーが求める製品が年々変わり、磨棒鋼の需要構造そのものが変化してきている。MTKは従来の方式を踏襲しながら、トレンドへ迅速に対応可能な体制構築を進めるため、今後ニーズに合わせたハード増強を展開していく構えだ。