音楽好きが集う「夢のホテル」 グルメも観光も味わい尽くす【シカゴ音楽旅行記Vol.4】
クルーズツアーとシカゴ美術館、おすすめ観光スポット
音楽漬けの旅行でも、観光の定番はバッチリ楽しみたいもの。まずは人気クルーズツアー「Chicago Architecture Center River Cruise」に参加した。シカゴ川の支流に沿って建築様式の変遷を確かめ、ナレーターの解説で学びながら壮観な高層ビル群を見学。2階建ての船「ファーストレディ号」にはバー設備もあり、屋外デッキでドリンクも楽しめる。 特にテンションが上がったのは、ウィルコの名盤『Yankee Hotel Foxtrot』のアートワークでもお馴染みのマリーナ・シティ。1967年に完成したトウモロコシ型のツインタワーは65階建てで、人気イベント「Gospel Brunch」でも知られるライブハウスHouse Of Bluesも施設内にある。19階までは駐車場で、上層階に約900世帯が入居しているそうだが、このなかで暮らすというのはどういう感覚なのだろうか。 続いてはシカゴ美術館へ。クルーズツアーの乗り場からは徒歩15分。かの有名な「ルート66」のスタート地点や、シカゴ交響楽団の本拠地シンフォニー・センターが真向かいにあると現地で知り、文化的シンボルの密集度に驚かされた。 シカゴ美術館は全米2位の敷地面積を誇り、展示の膨大さも評判どおり。じっくり鑑賞するなら1日がかりでも足りないが、今回は90分の駆け足コースで見て回ることに。 ここでしか見れないスーラの点描画『グランド・ジャット島の日曜日の午後』は、その緻密さや色彩に感動を禁じ得ない。モネやルノワールなどの印象派コレクション、ゴッホ『自画像』、グラント・ウッド『アメリカン・ゴシック』、エドワード・ホッパー『ナイトホークス』といった当館の人気作も見応えがある。 個人的にはハンマースホイによる1907年の室内画も印象深い。ピアノ、チェロ、バイオリンが置かれた部屋にはモノトーンの静寂が漂い、上質なアンビエントミュージックにも通じる穏やかさを感じた。撮影担当の妻は、ちょうど読み終わったリチャード・パワーズの小説『黄金虫変奏曲』に出てくるマグリット『自由への戸口』が嬉しかったそう。自分ならではのお気に入りを見つけるのも楽しい。 ちなみに、シカゴ美術館を含む主要アトラクションをまとめて回るなら、Chicago CityPASSを購入するのが断然お得。入場料が最大48%割引となるうえ、ファストパスや優先エントリーの特典つき。スマホにアプリをDLすれば簡単に使える優れもので、シカゴ美術館への入場も驚くほどスムーズだった。 スカイデッキ・シカゴ、360 CHICAGOといった展望施設や、グリフィン科学産業博物館、フィールド博物館でのミュージアム巡り、さらにシェッド水族館、アドラープラネタリウム、建築リバークルーズまで。この街ならではのアクティビティを存分に体感できる。