箱根駅伝Stories/帝京大・福田翔「走るからには良い結果で終えたい」 最初で最後の箱根路で輝きを
新春の風物詩・第101回箱根駅伝に挑む出場全21チームの選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。新たな100年への第一歩を踏み出す大会に向かうそれぞれの歩みを紹介する。 箱根駅伝2025 帝京大のエントリー選手名鑑をチェック!
「今年は箱根駅伝を一番重視」
確実に手が届くところにあり、しっかりとつかみ取ったはずなのに、するりとこぼれ落ちていった。それが帝京大の福田翔(4年)にとっての、これまでの箱根駅伝だった。 ハーフマラソンの帝京大記録(1時間2分03秒)保持者ながら、箱根駅伝を走ることなく福田は最終学年を迎えている。 「今年は箱根駅伝に向けて、4年間の中では一番自信を持って準備ができているところです。例年がひどすぎるんですけどね(笑)」。最初で最後となる箱根路には、万全な準備で臨むつもりだ。 2023年シーズン、福田は目覚ましい活躍を見せた。まずはシーズンに入る前の2月に丸亀ハーフで帝京大タイ記録をマーク。夏合宿前に右足首を捻挫したが、箱根予選会は不出場予定だったにもかかわらず、急ピッチで仕上げてチームトップの21位で走った。直前に新型コロナに見舞われたチームのピンチを、見事に救ってみせた。 さらに、全日本大学駅伝では1区を任され、区間9位ながらトップと11秒差でつなぎ、スターターの役割を果たした。福田が口火を切り、勢いに乗ったチームは序盤を上位で進めた。「この2つの大会で、自分がやってきたことをしっかり出すことができて、主力としての自覚を持つことができました」。 箱根駅伝でも活躍が期待され、福田自身も会心の走りを披露するつもりだった。しかし、箱根の直前に調子を落とし、前年に続き、またしても10人の出走メンバーには入ることができなかった。 そして、大学ラストイヤーを迎えた。「今年は箱根駅伝を一番重視していきたいと思っています」。そう意気込んだものの、2月の青梅マラソン後にケガをし、翌月の日本学生ハーフを回避。5月の関東インカレにも出場することができなかった。 「関東インカレは間に合わせようと思えば間に合ったのですが、全日本選考会もあったので、そっちに合わせました」。その全日本選考会でようやく復帰し、2年連続で1組を任され11着で走り切る。チームの本大会出場に貢献した。 夏合宿もしっかりとこなし、例年以上に“戦える”という手応えをつかみ、駅伝シーズンを迎えた。 福田は、昨季の全日本で見せたように、箱根駅伝でも1区を希望している。だが、出雲駅伝の前に中野孝行監督に「出雲ではどこを走りたい?」と聞かれた時には、1区の他に「6区(アンカー)をやってみたい」という意思を伝えた。