手術を乗り越えて復活! マシンをGRヤリスにスイッチして全日本ラリーに再参戦した「コバライネン」を直撃した
手術で戦列を離れていたコバライネン選手が復帰
全日本ラリー選手権・第6戦「ARKラリー・カムイ」が7月5~7日、北海道虻田郡ニセコ町を舞台に開催され、シュコダ・ファビアR5を駆る新井大輝選手がJN1クラスで今季4勝目を獲得。しかし、それ以上にJN1クラスで注目を集めていたのが、ヘイッキ・コバライネン選手だ。 【写真】北の大地を駆け抜けるGRヤリスRally2(全17枚) ご存じのとおり、コバライネン選手は2006年から2013年までF1で活躍したほか、2015年からはスーパーGTのGT500クラスに参戦し、2016年にタイトルを獲得。2016年よりトヨタGT86 R3で全日本ラリー選手権への参戦を開始すると2021年にJN2クラスのタイトルを獲得した。 コロナ禍による入国制限や家族と多くの時間を過ごしたい……との理由から、コバライネン選手は2021年を最後にスーパーGTを引退したが、その後も全日本ラリー選手権での活動は継続し、2022年にはファビアR5を武器にJN1クラスでタイトルを獲得していた。 2023年に2連覇を果たしたほか、2024年はニューマシン、トヨタGRヤリス・ラリー2を投入し、自身の3連覇を目指していたのだが、開幕前の健康診断で胸部上行大動脈瘤が発見され、手術を実施。こうしてシーズン前半戦の参戦を見送っていたのだが、ついにコバライネン選手は7月のラリー・カムイで、全日本ラリー選手権に復帰し、GRヤリス・ラリー2で素晴らしい走りを披露した。 というわけで、筆者はスタート前にコバライネン選手を直撃。現在の体調やGRヤリス・ラリー2の印象を尋ねてみた。 ――この春に手術を受けたと思いますが、かなり大きな手術だったみたいですね? コバライネン選手:開胸手術はリスクがあるからね。合併症の可能性もあるし、正直、手術前はモータースポーツに復帰できるかどうかもわからなかった。医療チームからは手術は成功したといわれたけれど、回復の様子を待つ間は少し緊張していたかな。 ――モータースポーツができなくなる可能性もあったんですね? コバライネン選手:回復が成功しなかったら、モータースポーツはできないかもしれないし、そのことを受け入れるつもりだった。というのも、もっとも重要なのは健康だからね。でも、回復が成功すれば、モータースポーツへの情熱がまだあるので復帰したいと思っていた。