受験直前期の今こそ気をつけたい感染症対策…トイレの後は「アルコール除菌より流水手洗い」が正解のワケ
いよいよ入試目前。勉強の追い込みの時期は、風邪をひきやすいときでもあります。感染症医の伊藤健太さんは「マスクも流水手洗いも、ポイントを押さえると押さえないでは対策効果が大きく変わります。例えば、手を洗うべきタイミングは3つあります」といいます――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、『プレジデントFamily2025冬号』の一部を再編集したものです。 ■「おこなう対策」は同じ 人が感染症(主には風邪)にかかるときは、新型コロナウイルス感染症しかり、ウイルスがほとんどの原因です。マイコプラズマ肺炎は、ウイルスよりも大きい微生物(細菌)が原因ですが、ウイルスにしろ、細菌にしろ、誰か(人)が持っていて、それを移されることが主な感染経路。なので、おこなう対策は、風邪、新型コロナ、マイコプラズマ肺炎すべて同じです。 感染症対策として取り入れてほしいのは「マスク」「手洗い」「規則正しい生活」「ワクチン」の4つ。 「そんな当たり前のこと?」と思うかもしれませんが、感染症対策は「当たり前のこと」を“押さえるべきポイントを意識して行う”ことがとても大切。 それこそが、日ごろから家庭で、出先で行える有効な策となるのです。 ■効果的な「マスク」のつけ方 対策①マスク ウイルスや細菌は、感染者の口の奥(喉)や鼻の粘膜の細胞にくっついています。 では近くに、ウイルスを抱えているAさんがいるとしましょう。Aさんが咳をしたら何が起こるでしょうか? ●1m先の咳で感染 ミクロな世界で見てみると、咳とともに喉や鼻にあったウイルスが周囲に飛び散ります。つまり飛沫がかかりやすい近距離にいるほど、感染リスクは高まるのです。 また、通学中の電車やバスのような換気の悪い閉鎖空間だと、近くにいなくても感染する可能性があります。換気の悪い閉鎖空間で咳をした場合、ウイルスはつばのしぶきと共に約1メートル先まで届くためです(なかでも新型コロナウイルスは軽く、他のウイルスよりも長い時間、ふわふわと空気中を漂う性質があるため、換気対策が強調されました)。 Aさんから出て、近くで漂うなどしているウイルスは、人の鼻、口、目の粘膜から入ってきます。 それを物理的にシャットアウトするのに役立つのがマスクです。目よりも、鼻・口からの感染率が圧倒的に高いので、そこ(鼻と口)をしっかりと覆うのがポイント。服や体に飛沫がかかっても、感染の入り口をウイルスが突破することを防げばいいのです。 咳などによってウイルスは、机や壁など、いろんなところに飛散します。知らずに触ってしまえば、見た目にはキレイな手でも、実はウイルスや細菌がたっぷり。その手で子供が口や鼻のまわりを触ってしまうと、感染リスクが高まります。 そんな感染の経路をしっかりと断ち切るために重要なのが「手指衛生を保つこと」。つまりは流水やアルコールでしっかり手洗いをしよう!ということです。