「なんで疑ってんの?」板橋・自殺偽装殺人で逮捕された会社社長が記者に“さぐり”電話…被害男性には給料の代わりに弁当で現物支給、電車には恐怖からか側面から飛び込み?
東京都東大和市の建築塗装会社「エムエー建装」の佐々木学社長(39)=小平市=が社員3人と共謀し、昨年12月に部下の男性(当時56歳)を自殺に見せかけて踏切内で殺害したとして警視庁に殺人などの容疑で逮捕された事件。発生から約1年、殺意の認定など起訴に向けたハードルが高い中での事件着手には、人命を弄ぶ凶悪犯罪に対峙する警視庁の執念を感じさせる。一方で捜査網が狭まるのを体感したのか、容疑者サイドは捜査情報を得ようと記者に“逆取材”を試みるなど、攻防戦に打って出ていた。 〈直撃〉「俺関係ないから…」逮捕前に記者の直撃に答えた佐々木容疑者
「あれから取材はどうなりましたか?」
逮捕容疑は昨年12月2日の深夜から翌日未明にかけ、佐々木社長と従業員の島畑明仁(34)、野崎俊太(39)、岩出篤哉(30)の4容疑者が同僚だった高野修さん(当時56歳)に暴行を加えて車内に監禁、板橋区徳丸の東武東上線踏切内に立ち入らせて電車と衝突させ、殺害したというもの。 「4容疑者は同2日午後10時ごろに島畑容疑者の車で高野さんを自宅から連れ出し、荒川に架かる笹目橋まで連れて行ったことがわかっています。当初は川に飛び込ませ自殺を装って殺害することを企てたものの、高野さんが川に飛び込むことを嫌がったため、そこから4キロほど離れた現場の踏切に連れて行った。 道中の車内で野崎容疑者が発したとみられる『川は嫌だけど電車なら飛び込めるってよ』という音声がスマホに記録されており、警視庁は捜査段階で証拠として収集しています。これら重層的な状況証拠から、自殺を偽装した殺人という疑いが強まり、警視庁は満を持して強制捜査に着手したのです」(警視庁捜査1課担当記者) こうした容疑事実に対し、主犯格で立場的にもグループの最上位とみられる佐々木容疑者が今年5月の直撃取材に「万引きを繰り返すからクビにした」「仕事でミスをしたときに本人の希望でケツの穴に棒を突っ込んだ」など言いたい放題の“言い訳”をしていたことは♯1と♯2で伝えた。 その直撃から約3ヶ月後、直撃取材をした記者の携帯電話が鳴った。佐々木容疑者からの電話だった。 「あれから取材はどうなりましたか? そうですか。いや、特に何かあったわけじゃない。家の近くに停まって俺のことを見ている変な車も最近はなくなった。あれって記者じゃないか? わからないか。 警察はまだ俺らを疑ってるよ。俺らの周りの人間に当たってるからまだ疑ってるんだろうな。もちろん弁護士は何も心配いらないって言ってる。ただ、なんでそんな疑ってるんかと思ってさ。だから逆に聞きたくてさ。記者って警察がどう動いてたりしてるのか知ってたりするの?」 集英社オンラインは、全国紙や通信社、NHKや民放各社が加入する警視庁の記者クラブには加入していない。そのことをやんわりと伝えつつ、警視庁から佐々木容疑者に対し何か動きがあったのか尋ねると、こんな答えが返ってきた。 「いや、特にはない。そうか。記者クラブの人たちなら警察がどんな捜査してるかわかったりするんかな。何もやってないのにいまだに疑われてるし、わかるなら知りたかったから」 こう言うなり、佐々木容疑者は電話を切った。
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