八ヶ岳登山に最適「オーレン小屋」 人と人との「縁」を紡ぐ、おもてなしの心溢れる山時間!
■働き方改革で恵まれた山小屋のスタッフ
オーレン山小屋スタッフの安藤麟さんは、もともとスポーツトレーナーとして働いており、自身もバレーボールをしていたという。担当していた患者に登山をしていた人がおり、「体に痛みがあって山はもう行けないから登山は引退だ」という声を聞き、「それなら自分も山を経験してみよう」と八ヶ岳などの山に登りはじめた。 「自分のスキルを活かして、山でいろんなケガに貢献しようと思ったんです。1年ほど、山を歩きながらケガをしている人がいたらテーピングをするなどのボランティア活動をしていたんですよ」 というから感動した。オーレン小屋のスタッフとして働きはじめたのは2024年4月のこと。山小屋で働くのは、今回がはじめての体験だった。 「人と人との距離が近く感じられるのが山。山小屋で働いていると自分の行ないが反映されるのがよく分かり、人との近さをもっと実感できます。山小屋ではいろいろなサービスを提供していますが、避難場所でもあります。山小屋ではケガへの対処はアドバイスにとどまることが多いので、従来のありかたを変えられたらと思っています」 山小屋で働く経験を通して、安藤さんは山のケガに対していかにして貢献するかを考え続けている。 「オーレン小屋はスタッフ同士の距離も近く、それがチームワークに繋がっていくのがいい。山小屋で働きながら僕も癒されています」 水嶋蛍さんも、2024年4月からオーレン小屋で働きはじめたスタッフの一人。前年に、はじめて山小屋泊を経験したのがこの小屋で、そのときにスタッフ募集の案内を見て働くことを決意した。 「はじめて山小屋で働きましたが、ここでは分業ではなくいろんな作業を担当します。会社勤めの頃はパソコンをカタカタしている生活でしたが、外作業などで体を動かしているうちに筋肉もついてきました」 物流会社に勤めていた水嶋さんは英語が堪能で、動画編集もできるという。八ヶ岳の青空をイメージしたオリジナルゼリーの動画を編集するなど、小平さんからも頼りにされている“できるスタッフ”だ。 「ここは涼しいし、苔もすてきなところ。山小屋では1週間に1日休みがもらえるので、八ヶ岳をあちこち歩いています。苔や花について少しだけ詳しくなりましたよ。通勤電車を使わないこうした生活はやっぱりいい」 山小屋で働きはじめて生活が一変した水嶋さん。八ヶ岳を歩いて回り、「やっぱり好きなのは硫黄岳」と小屋から近い山に愛着も感じている。