疲労を解消する「手のひら綿棒プッシュ」で手力アップ【40歳から始める! 健康寿命を延ばす「手力・足力」!⑧】
日々の生活の中で、何をするにも使っている「手」。手の健康を守るにはまずは疲れた手をいたわることが大切だ。それが将来の健康寿命にかかわってくるかもしれない。そんな手のケア方法を、看護師で英国ITEC認定リフレクソロジスト・アロマセラピストの市野さおりさんに伺った。
小さな筋肉が集まる手のひらは綿棒でほぐす
物を持ったり、スマホやパソコンの操作、料理や手芸をするときも手を器用に使っている。そんなときに活躍しているのが、手のひらにある筋肉だ。 「手のひらには小さな筋肉がたくさん集まっていて、それらが上手に連携することで指が動きます。そのため、日中酷使している手は夜にはかなり疲れています。 手に痛みが出る多くの原因は手の使いすぎです。もしくは偏った部分に負担がかかる手の使い方をしているせい(※1)。手の痛みは日々の生活にも影響を与えます。そうならないためにまず行いたいのが、一日の疲労をその日のうちにしっかり取ることです。 そこでおすすめしたいのが綿棒を使った手のひらと指と指の間のマッサージです。手のひらの筋肉は小さく、筋肉同士が微妙に重なったりしているので、指先で圧するよりも、綿棒のほうがピンポイントで押せて効果的です」(市野さおりさん) ※1:手に負担のかからない方法は第6回<手力アップは握力よりも〇〇のほうが大事>参照
【綿棒プッシュ】 1 手のひらに綿棒を当て、上下に小さく動かして刺激する。これを手のひらにまんべんなく行う。 2 続いて、指と指の間を刺激する。親指と人差し指の間、人差し指と中指の間というように、各指の間を綿棒で軽く押していく。左右の手を同様に行う。 「綿棒の動きは一例で、手のひらをまんべんなく刺激できればどのように行ってもかまいません。例えば、左右に小さく動かしたり、手のひらの中央に小さく円を描き、グルグルとだんだん大きくして、最後は手のひらに大きな円を描くなど、痛気持ちよく感じる方法や圧で押すことが大切です。 少し痛く感じるところがあったら、そこが疲れをためている部分なので、集中的に何度か刺激してほぐしてあげるといいでしょう。 また、指の間は鎖骨の反射区(※2)。手を使う作業をしているときは、とかく背中が丸まり鎖骨が縮まりがちで(いわゆる猫背)、鎖骨まわりがこり固まりリンパや血液の流れが悪くなっています。指の間を刺激することで、鎖骨のこりを緩める効果もあり、これにより、手への血流が高まり、手の疲労が軽減します」 ※2:手や足裏などは全身の部位や臓器が反射投影されているという考え。リフレクソロジーとも呼ばれ、手足をケアすることで、そことつながる離れた部位や臓器もケアできるといわれている。 (手の反射区について、詳しくはOurAge連載<「なんとなく不調」をほっとかない!/Part5 「なんとなく不調」にこれが効く!「手もみ」ケア 〈第1回〉いつでもどこでも手軽に!「なんとなく不調」に効く「手もみ」ケアとは?>参照)