マラソン、28年ロス五輪へ「MGCファストパス」導入 男女とも日本記録大幅更新で代表に早期内定
日本陸連は11日、都内で会見を開き、28年ロサンゼルス五輪のマラソン日本代表の選考方針を発表した。21年東京五輪で初採用されたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)と、その出場権を懸けたMGCシリーズを継続して実施するとともに、新設の「MGCファストパス」の導入を決めた。 高岡寿成シニアディレクターによれば、MGCを採用した東京五輪と今夏のパリ五輪の結果を検証し、両大会ともに男女で入賞者が出たことや出場選手へのアンケートで制度の評価が高かったことを踏まえ、大枠は踏襲した。その上で選考方針を〈1〉メダルが狙える記録を持った選手(速い)〈2〉再現性・調整力のある選手(強い)〈3〉最も勢いのある速い選手(勢い)の3点から設計。入賞から次のステップのメダル獲得を目指し、変更を加えたのがファストパスだ。 マラソンの五輪代表は男女各3人。これを過去2大会は五輪前年秋に行われるMGC上位2人が内定し、残る1枠をMGCファイナルチャレンジで選考していた。だが、今回はMGCシリーズや来年9月の東京世界陸上などの指定大会で男子が2時間3分59秒、女子は2時間16分59秒をクリアした中で最速の選手は、本番の約1年半前の27年3月に代表に早期内定する。 過去4大会の世界大会の記録などを考慮した設定タイムは日本記録から男子は57秒、女子は2分も速い。高岡氏は「ロスではメダルを含む複数の入賞を目指したいと強く思っている。日本記録を大きく超えるタイムを設定し、より高いところを目指す。具体的にどのタイムを目指すことがメダルにつながるかを記録で示す。この記録に1人でも多くの選手や指導者が本気で挑戦してくれれば、日本のレベルは必ず上がると信じている」と意図を説明。マラソンでは男女通じて24年ぶりの五輪メダル獲得につながることを期待した。
報知新聞社