これに気付かなければ今の成功はなかった…稲盛和夫が断言する「生まれ持った能力」よりも大事な2つのこと
■「熱意」があれば逆転できる 「能力」と「熱意」だけを考えれば、例えばたいへん頭がよくて、立派な高校に進み、果ては立派な大学に行くという生徒さんもいらっしゃると思います。その生徒さんの能力が80点だとしましょうか。 もう一人、頭はさほどよくないけれども、落第をするほどではない。普通くらいの成績で、能力は60点だという生徒さんもいらっしゃると思います。80点の子と60点の子とでは、能力には相当な差があります。 80点の能力を持った子はその後、立派な高校へ行き、立派な大学を卒業した。大学でも相当頭がよい、優秀だといわれていた。そのために、社会へ出てから「オレは頭がよいのだ」と自慢し、その子は一生懸命生真面目にがんばることをしなくなってしまった。 「頭の悪い子は朝から晩まで働かなければならないが、オレは頭がよくて優秀なんだ。バカみたいに働かなくてもよいだろう」と熱意がない。 その子の熱意の点数が30点だったとすれば、80点(能力)×30点(熱意)となり、点数は2400点となります。 一方、60点の能力の子は、中学時代も高校時代もあまり頭がよくなくて、大学もあまりよいところへは行けなかった。しかし社会へ出てから、自分はあまり能力がないから人一倍がんばろう、努力をしようという熱意を持った。 この子が80点の熱意で人生を歩き始めたとすれば、60点(能力)×80点(熱意)となり、4800点の点数になります。 頭のよかった子の2400点に比べて、それだけで倍ほど違う4800点です。 ■「マイナス」で終わってしまう人の特徴 能力と熱意だけではありません。さらに「考え方」がそこにかかってきます。 この方程式を考えたときに、私は「考え方」にはマイナス100点からプラス100点まであると思いました。 例えば、「世の中はバカバカしい、一生懸命に働くなんてアホらしい」と悪いことを思う。悪さをして人生を生きていこう、泥棒でもしようと考える、これはマイナスの考え方です。 この方程式はかけ算です。わずか1点でもマイナスがかかれば、答えはすべてマイナスになってしまいます。 人生がマイナスで終わってしまう人はたくさんいます。 罪を犯し、たいへんな人生を生きていくことになってしまった人はたくさんいますが、それは方程式にある「考え方」がマイナスだったからなのです。少しくらい悪い考え方をしてもいいだろう、誰も見ていないし、いいだろうと思っても、それが人生のすべてを台無しにしてしまうわけです。