20代の有志でブランド始動 「過剰発注など服が大切にされていない現実が嫌だった」
環境配慮型素材の採用例は、タマネギの皮から抽出した成分とオリーブや竹炭などの植物材料の成分を配合して染色する、小松マテーレの「オニベジ」染色を使用したリサイクルナイロンのアウターや、ニチモウのりんご由来のレザーの代替素材を使ったブルゾンなどもある。課題は環境配慮型の素材のデザインや色など選択肢の少なさだという。同じオーガニックコットンでもシーズンテーマやブランドの世界観にあうストライプやツイルなど柄を探したが見つからない。今回はヘリンボーンを1型採用。これが精一杯だった。
夜道で命を守る「防護服」
横糸にリフレクト糸を使ったデニムは暗いところで反射する。木代代表がコンサートの衣装からヒントを得たという。自身の出身地である島根は夜道が暗く交通事故が多発している。「命を守るためにも夜道で目立つことは命を守ることにもつながる。人間の生活環境を守ることもサステナビリティにつながると思う。サステナブル=エコやリサイクル素材だけでなく、日常着が防護服になるという新しいアプローチとしてブランドから提案したい」。
デニム素材を起用した理由は、「一番水質汚染への影響が大きい素材と聞き、なおかつ、誰しも1着は持っているであろう定番の素材」だから。「そんな定番素材が今後世界から無くなることは想像し難いから」、防護という付加価値で提案をする。
2026年秋冬には東コレでショー形式で発表したい
「2026年秋冬には東コレでショーを、2029年秋冬にパリでショー形式で発表したい。ショーの必要があるのか?と問われれば、悩ましいが、(「ヨウジヤマモト」で)パリコレを経験し、良い悪いの意思表示がはっきりしている拍手の音が耳に残っている。あの拍手で作り手たちのシンドイ期間が報われる。それも大切なことだと思うからショーで見せたい」。