シリアで学校再開、生徒たちの笑顔戻る 反体制派の旗掲げ拍手喝采
50年余り続いたアサド一族による体制が崩壊してから1週間が経過したシリアで15日、暫定政権による学校再開の命令を受け、子どもたちが教室へと戻った。前日14日には米国、トルコ、EU、アラブ諸国の外交トップがヨルダンで会談し、共同声明で新政権が少数民族の権利を尊重するよう求めた。 暫定政権による学校再開の命令を受け、シリアの子どもたちは15日、教室へ戻った。アサド政権が崩壊してから1週間が経ち、シリアに平穏な生活が戻りつつある。 ダマスカスの男子高校では反体制派の旗が掲揚されると、生徒から拍手喝采が起きた。 事務員は数日間の準備を経て、学生を迎える十分な体制が整ったと語った。このアラビア語教師は、生徒らが教室に戻り 希望や野心が育まれるだろうと話した。 当局によると、シリア全土のほぼ全ての学校が15日に再開したという。多くのアラブ諸国では、日曜日が平日の始まりにあたる。 ただ、情勢不安から、子どもたちを学校に行かせない親もいたという。 この学生は「前向きな気持ちで、とても幸せだ」と語った。 「以前は徴兵されるのではないかとおびえながら、街を歩いていた」 反体制派の指導者は、13年間の内戦を終え国を再建するという課題に直面している。ロシアとイランの後ろ盾を受けていたアサド政権の崩壊後1週間が経過したが、各国は依然、シリアに対する姿勢を慎重に模索している。暫定政府を主導する「シャーム解放機構」は米国や国連がテロ組織に指定している。 米国、トルコ、EU、アラブ諸国の外交トップは14日、ヨルダンで会談。新政権が少数民族の権利を尊重すべきとの認識で一致したと明らかにした。また共同声明で、シリアの「領土保全と主権」に対する支持も表明。アサド政権崩壊後、以前合意していた緩衝地帯を越えてシリアに侵攻したイスラエルに向けられた発言とみられる。