5ドアハッチのセダンが好きだ!【1】今ではよく見かけるハッチバックセダン。その黎明期は80年代!
【5ドアハッチのセダンが好きだ! vol.1】 現在、日本の自動車マーケットで主流となっているのは、間違いなくミニバンだ。広い室内、乗降性の良さ、利便性の高さなどが多くのユーザーから支持され、昨年の市場シェアは3割をオーバー。もはや独壇場といえる状態である。ここ数年でSUVの人気が急上昇しているものの、ミニバンブームはしばらく続きそうな気配だ。 このようにミニバンがもてはやされている日本に対し、ヨーロッパでは以前からハッチバックセダンの人気が高い。ガバッと開くリアゲートを備え、大きな荷物を気軽に載せられることが最大の要因だろう。そして現在ではハッチバックという表現こそされていないものの、アウディやBMWといった高級車メーカーが率先してリアゲートを備えた4ドアサルーンをラインナップに加えており、その人気の高さがうかがい知れる。 >> 【画像30枚】セダンボディに利便性をプラスしたベストセラーカーたち。スプリンター5ドアセダンとコロナFF5ドアのディテールなど その一方で、日本国内におけるハッチバックセダンの人気はどうだろう。80年代から90年代にかけて新型車や派生車種がリリースされたが(それ以前に3代目コロナ 5ドアセダン、6代目コロナリフトバックなどの登場はあった)、当時は受け入れる土壌がなく、市民権を得ることができなかった。そして2000年頃には、4ドアセダンへ回帰したり消滅したりと、国内のマーケットから姿を消してしまったのである。 とはいえ、ここ数年で状況は少々変化してきている。というのも、プリウスやインサイト、シビックなどがハッチバックスタイルを採用しているのだ。これらは空気抵抗の低減を狙ったことから生まれた形状だが、エコカー全盛のこの時代、再びハッチバックセダンのブームが訪れることを予感させる。 さて、ここに登場する2台は、ともに80年代前半にリリースされたハッチバックセダン。スプリンターはシリーズ初のFFレイアウトを採用した5代目で、セダン5ドアと命名されたボディバリエーションもシリーズ初の試み。4ドアセダンの持つ高級感や居住性の高さに、5ドアの優れたユーティリティー性を加えた、新ジャンルのモデルとして登場した。 もう一台は8代目コロナ。7代目FRコロナと併売されていたため「コロナFF」の名が与えられた。当初は5ドアのみだったが、のちにFFの4ドアセダンを追加する。 日本ではけっしてメジャーではないハッチバックセダンだが、4ドアセダンよりも利便性に優れ、ワゴンよりもスタイリッシュ。今いちどハッチバックの良さや魅力を見直しても、いいのではないだろうか。 初出:ハチマルヒーロー vol.23 2018年 1月号 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部
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