冬の感染症に注意! 予防には、腸内環境を整えて免疫力アップを
猛暑の夏がようやく終わりホッとしたと思ったら、すぐに冬の感染症シーズンの到来。感染症を予防するには、「うがい」「手洗い」そして「免疫力」が重要! 最新の研究から、免疫力アップのための腸内環境の改善法を紹介しよう。
感染症予防には、「免疫力」が重要
周期的に流行するといわれる呼吸器感染症のマイコプラズマ肺炎が、2016年以来8年ぶりの大流行となっている。さらに気温と湿度が下がってくると、新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスなどによる冬の感染症が心配になってくる。 なぜ、冬に感染症が流行するかというと、低温・低湿度が大好きなウイルスにとって冬が最適な環境だから。それなのに人は、寒くなると体温が下がり代謝機能や免疫力が低下してしまうから、感染しやすくなってしまうのだ。そのため、冬の感染症予防には、免疫力アップが重要だ。
重要な免疫器官は「腸」
近年の研究で、「腸」は免疫に重要な役割を果たす器官であることがわかってきた。なんと、免疫システムを担う免疫細胞の約7割が、腸に生息しているとも言われている。 またある研究※1では、マイコプラズマ肺炎の予防や重症化抑制に、腸管免疫の有用性を示す論文が発表されている。 これらの研究から明らかになったことは、腸は単なる消化器官なのではなく、重要な免疫器官でもあるということ。腸内環境を整えることで、免疫力を高めることができるというわけだ。 ※1) Immune response plays a role in Mycoplasma pneumoniae pneumonia
腸内環境を整えるには“発酵性食物繊維”
最新の慢性便秘の治療ガイドライン(「2023便通異常症ガイドライン」)では、便通には食物繊維の量ではなく、発酵性食物繊維を摂ることが大切とされている。 なぜ発酵性食物繊維を摂ることが大切かというと、つぎのようなことが分かっているからだ。 腸内細菌が、発酵性食物繊維をエサに有用成分(酪酸)をつくる ↓ 有用成分が、腸内環境を整え、腸の蝙動運動を助ける ↓ 便通を改善! さらに最新の研究で、発酵性食物繊維を多く摂ると、私たちの免疫にとっても良いことがわかっている。 ●発酵性食物繊維を多く摂ると、免疫細胞が活性化される※2 ●発酵性食物繊維をエサにして腸内細菌がつくりだす有用成分(酪酸)も、免疫を活性化する※3 ※2) Trompette A, et al. Immunity 2018, 48: 992. ※3) Kim M, et al. Cell Host Microbe 2016, 20: 202 214 では、どのようなものを食べれば、発酵性食物繊維を摂ることができるのだろうか? 発酵性食物繊維を多く含む食材や、手軽な食べ方を紹介しよう。