「自分のものはこれまで我慢していたから」と父の定年後に「クレジットカード」で頻繁に買い物をするようになった70代の母…ほかの年金受給者もカード利用に積極的なのでしょうか?
父親が現役のときは家事や家計管理に忙しくしていた母親が、定年後にクレジットカードで頻繁に買い物をするようになると「年金生活なのに大丈夫?」と心配になるかもしれません。そもそもほかの年金受給者はクレジットカードを持っているものなのでしょうか。 そこで今回は、年金を受け取り始める60代の方がクレジットカードを保有している割合について調べてみました。年金受給者がクレジットカードを利用するメリットや注意点もご紹介しますので、参考にしてください。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
年金受給者もクレジットカードを持っている? 高齢者のカード利用状況
キャッシュレス化の影響もあり、日本においてもクレジットカードを利用する方は増加傾向にあるようです。 株式会社ジェーシービーが公表した「【クレジットカードに関する総合調査】2022年度版調査結果レポート」によると、クレジットカード保有率は全体で85.7%でした。年金を受け取り始める60代の利用率は全年代で最も高く、男性では94.0%、女性では93.0%といずれも9割を超えています。 60代のクレジットカード利用状況については表1の通りです。 表1
出典:株式会社ジェーシービー「【クレジットカードに関する総合調査】2022年度版調査結果レポート」を基に筆者作成 上記結果から、年金受給者でもクレジットカードの利用に積極的な人はいて、母親がクレジットカードで買い物をするようになったとしても不思議ではないことが分かるでしょう。
年金受給者がクレジットカードを利用するメリット
年金生活をするシニア世代は、若年層にはない特典を受けられる場合があります。例えば一定の日に特定のスーパーなどで割引されたり、年齢に応じて電車の切符が割引されたりするクレジットカードもあります。シニア向けの特典やサービスが豊富なクレジットカードを選ぶことで、上手に節約をしながら年金生活を送れるでしょう。 現金を持ち歩く必要がなくなることもメリットの一つです。盗難などのリスクを減らすために、電子マネーやスマホ決済などを併用して、財布を持ち歩かないようにする方もいるでしょう。またクレジットカードでの買い物では利用明細が発行され、利用日時や金額を把握できるため、家計管理も楽になると感じる方もいます。 上記以外にも、利用代金に応じてポイントが貯まったり、国内・国外旅行保険が付帯されていたりして、現金を利用するよりもお得な場合が多くあります。