ディズニーダンサーをやるタイミングはもうない――コロナで「諦めた」夢、翻弄される若者たち
2度目の緊急事態宣言の最中、みくさんの働くアパレルショップは、時短営業で20時閉店に。仕事を終えると、帰宅しか選択肢がなかった。 「せっかく20歳になって、お酒も飲めるようになったのに、20時で帰らなきゃいけないとか、『なんか自由がないな』って思います。お仕事終わるのが20時なんで、お仕事の日はもう遊べないです」 しかし、みくさんは、昨年のように強い外出自粛をしたほうがいいとも語る。そこには、2度目の緊急事態宣言中も店頭で働いていた人ならではの視点がある。 「コロナを早く収めるようにしてくれれば、最初の緊急事態宣言みたいに一定期間の自由が奪われたとしてもいいと私的には思います。やっぱりお店が開いてたら人は来るんです。マスクしてないお客さんもいて、すごい怖いんです。でも、いつもよりお客さんは少ないし、売り上げが取れないから、閉めちゃえばいいのになと思ったりはします」
みくさんは、周囲の友人、弟、そしてアイドルたちのことも気にかける。 「大学生の友達にも、ずっとリモート授業で学校に行けてない子がいるんです。高校生の弟がいるんですけど、修学旅行に行けなくなっちゃって。アイドルの子たちだって、満員の景色を見てライブができないって思うと、なんか苦しいですよね。仕方がないんですけど、今しかできないことを、コロナのせいで奪われる。でも、年は取るから、もう戻れないじゃないですか。若い人たちの大事な時間が奪われてるっていうか、なんかつらいなって思います」
19歳、ずっとアルバイトで生活してきたので休みたい
通信制高校の4年生で19歳のたけおさん(仮名)は、高校生になってから家庭環境の問題で児童養護施設に保護された。現在は、シェアハウスで暮らし、アルバイトで自身の生計を立てている。 「アルバイトは二つやってて、一個はファミレスのキッチンで、もう一個は介護です。最初の緊急事態宣言前は、収入が10万とかいってたんですけど、緊急事態宣言でファミレスの収入が本当に落ちて、7万とかまで下がった感じです。そのうち5万は家賃になるので、食費とかスマホの通信費とか、ちょっときついなって感じですね。去年の夏の間に、めちゃくちゃバイトを増やしてたので、そのときの貯金で生活できてる感じです」 コロナ禍で厳しい経済状態になる以前、たけおさんには働いてみたい場所があった。 「ライブハウスの店員さんをやりたいなと思ってました。高校4年になったとき、自分が働きたいライブハウスがあったので履歴書を送ろうとしてたんですけど、コロナでそこのライブハウスも休業になっちゃって。就職で音楽関係の仕事をしたかったけど、今だと経験がなさすぎるかなって」 「それでも世界が続くなら」やamazarashiといったアーティストが好きなたけおさんは、自身でギターも弾く。履歴書を送ろうとしていたライブハウスは、前者を初めて見た会場だった。 「そのとき中学生で、ずっとそこのライブハウスで働きたいと思ってたので、やっぱりやりたかったなっていうのはあります」