なぜ?DeNAが阪神・浜地を現役ドラフトで獲得 実績と伸びしろを兼ね備えたリリーバー、会心の補強の舞台裏
DeNAに頼もしいリリーバーが加わる。9日に行われた「現役ドラフト」で、阪神から浜地真澄投手(26)を獲得。2022年に救援で52試合に登板した26歳右腕の加入は、悲願のリーグ優勝、そして日本シリーズ連覇へ向けた、重要なピースとして期待される。会心の補強を遂行できた、その裏側を探った。 【一覧】現役ドラフト ロッテ・平沢は西武へ 「ドラ1」3選手が移籍 浜地は2022年にキャリアハイの成績をマーク。52試合に登板、1勝3敗、21ホールド、防御率1・14の実績を残している。今季は18試合にとどまったが、セ・リーグ関係者は「本人のパフォーマンスが落ちたということではない。今年は岡留らの台頭もあって登板機会が限られたが、チャンスさえあれば、力を発揮するだけのポテンシャルはある」と明かす。 阪神といえば、今季のチーム救援防御率2・27はリーグ2位で、中継ぎ陣は石井、桐敷ら12球団屈指の層の厚さを誇る。浜地はこの2年こそ数字を落としたが、年齢的にも若く、環境が変わることで再び輝く可能性は十分にある。 先発経験もある浜地だが、新天地でもリリーフでの起用が濃厚とみられる。ハマの救援陣にはベテラン格の山崎や伊勢、守護神・森原らをはじめ、今季は坂本や、オリックスから移籍した中川颯らが新たに台頭。昨年の現役ドラフトでロッテから獲得した佐々木もシーズン中盤から存在感を発揮し、ブルペンに欠かせない戦力として日本一に貢献した。ただ、長丁場のシーズンであり、中継ぎ陣のやり繰りは毎年、重要課題。近年は故障防止のため休ませながらの起用も多くなっており、ゲームを組み立てていく上で「中継ぎ投手は、何人いてもいい」(球団関係者)と話す。 実績と伸びしろを兼ね備えたリリーバー・浜地を指名できたことは、会心の補強だったといえる。2018年度ドラフト1位・上茶谷を手放す“痛手”も負ったが、先発から救援、ロングリリーフまでフル回転してきた右腕を、指名順の早かったソフトバンクが獲得。それに伴い指名機会が巡ってきたDeNAは、“人気物件”の浜地を手中に収めることができ、理想的なドラフトを敢行できた。 浜地は阪神球団を通じ「横浜DeNAベイスターズは日本一になり、競争も激しいチームですので、その競争に割って入ることができるように、新たな気持ちでまた頑張っていきたいと思います」と意気込みを表明している。DeNAは佐々木や中川颯ら移籍組が力を発揮しやすい土壌があり、坂本は福岡大大濠高の1学年先輩。一枚岩が売りのハマのブルペンに、溶け込むのにもそう時間はかからないはずだ。大海へと泳ぎ出た“ハマチ”が、“出世”を遂げる。(デイリースポーツ・福岡香奈)