飲酒・パトカーから逃走・時速105キロでも「危険運転」ならず…懲役5年半、遺族「誰もが納得できる法律を」
検討会メンバーからは数値について、「最高速度の2倍や1・5倍」のほか、呼気1リットル中のアルコールが「0・15ミリ・グラム以上」「0・25ミリ・グラム以上」などの意見が出たという。
治さんは「数値が目安になれば、悪質な運転が『過失』と判断されることは減るのでは」と議論の行方を見守る。
検討会が報告書を取りまとめた後、法務省は法改正の必要があると判断すれば法制審議会に諮問するとみられる。治さんは力を込める。「市民感覚との隔たりがなくなり、誰もが納得できるような法律になってほしい。こんな事件はもう起こってほしくない」
◆ 大学生2人が死傷した事故= 地裁判決などによると、2020年11月27日未明、酒気帯び運転の男が福井市中心部でパトカーの追跡から逃走中、時速105キロまで加速して軽乗用車に衝突。軽乗用車を運転していた男子大学生は重傷を負い、同乗の塩●里桜さんが亡くなった。
「事故忘れてはいけない」…福井署が飲酒検問
県警福井署は死傷事故の発生日にあたる27日未明、福井市内の2か所で、年末の忘年会シーズンに向けた飲酒検問を実施した。
同署員約25人は午前0時から約3時間、市内の繁華街・片町近くの芦原街道と九十九橋上で通行中の車を停止させ、アルコール検知器でドライバーの呼気を確認した。この日は飲酒運転はなかったものの、免許不携帯1件を摘発した。
県警交通企画課によると、今年に入り飲酒運転で運転免許取り消し処分を受けたドライバーは124人(24日現在)。同署の田中弘宣交通官は「4年前の死傷事故を忘れてはいけない。飲酒運転は重大事故につながるという意識をドライバーに徹底させる思いで取り締まりたい」と話していた。
※●は「崎」の異体字(たつさき)