【毎日書評】めまぐるしい時代の必須スキル「クエスチョン・シンキング」とは?
質問の力を仕事に活かす
著者によれば、「質問の力を仕事に活かすツール」は2つのパートに分かれているのだそうです。 まず、自分への質問をより意識的で効果的なものにしてくれるのが1つ目のパート(下記のA:自分自身への質問)。そしてほかの人への質問をより実り多く効果的なものにするのが2つ目のパート(B:ほかの人への質問)。 それぞれを確認してみましょう。(7ページより)
A:自分自身への質問
目的:思考する際に用いる自分への質問に対する意識を高め、量を増やし、質を高める。質問と聞くことは、コインの表裏だと覚えておこう。(7ページより) 私たちの行動は、気づいていようといまいと、自分自身への質問によってかり立てられているものだといいます。たとえば、旅行に出かける準備のような普通の行動でさえ。 たしかに、荷造りをする際には、自分に対して「天気はどうだろう?」「そのスーツケースがいいかな?」「滞在期間はどれくらいだっけ?」といったような質問を自分に投げかけるはず。それらの質問に心のなかで答えたあとで、スーツケースに荷物を詰めるといった行動をとるわけです。 したがって旅先で忘れ物をしたことに気づいたのなら、それは自分が荷造りをしているときに、忘れたものについての質問を自分にし忘れたということ。 そのため、自分自身への質問に対する気づきを高める必要があるわけですが、その方法はとてもシンプルであるようです。 まずするべきは、自分自身への質問が生活にどこまで浸透しているかに注目すること。そうしたうえで、自分が一般的に自分へ向ける質問や、それがもたらす経験や結果がどんなタイプのものかを見ていくのです。 よい聞き手になるために、まずは「自分がなにを考えているのか」に注目することを著者は勧めています。もうひとつ、ほかの人のことばが聞こえるように、考えていることを脇に置いておくことも。自分のことばばかりに耳を傾けていると、他人のことばを聞くのは難しくなってしまうからです。 そこで、「批判する人の耳」ではなく、「学ぶ人の耳」で聞くように心がける必要があるということです。(7ページより)