【挑戦】女性初のF2戦闘機パイロット 過酷な訓練…日本の空を守る『every.特集』
日本の空の安全を守る航空自衛隊。去年、女性初のF2戦闘機パイロットが誕生しました。危険と隣り合わせの過酷な訓練に密着取材しました。 【動画を見る】女性初F2戦闘機パイロットに密着 “過酷”訓練…日本の空を守る『every.特集』
■女性初のF2戦闘機パイロット誕生
勢いよく大空へ飛び立つF2戦闘機。操縦するのは、2等空尉の水越美紗貴さん(27)。自衛隊発足から70年。去年、初めて誕生した女性のF2戦闘機パイロットです。 水越美紗貴2等空尉(27) 「戦闘機はまだ女性が少ない状態。自分もどこまでできるのか挑戦したいというところが根底に」 水越さんが所属する福岡県築上町にある航空自衛隊・築城基地。フライトに臨む前の若手隊員みんなの朝の日課は、鉛筆を1本1本削ること。 荻本研史3等空佐 「姿勢ですね。フライトに臨むということで、身だしなみを整えるのと同じような意味でやっております」 水越美紗貴2等空尉(27) 「おっしゃる通りです」
そんな水越さんが操るのは、青い迷彩が特徴のF2戦闘機。領空侵犯やその恐れのある外国の航空機に対し、退去の警告などを行い日本の空を守っているのです。 「スクランブル!」という声で、走り出したパイロットと航空機整備員。不審な航空機に対応するため、戦闘機が緊急発進する“スクランブル”の訓練です。22年度の緊急発進は、全国で778回。 第8飛行隊 隊長・赤川俊介2等空佐 「まずは(航空自衛隊が)精強な存在で有事が起こらないように、24時間365日、空における不法行為があった際に対処できるように訓練をしている」 航空自衛隊でただ一人、F2戦闘機を操縦する女性、水越さん。約14キロもの特殊なスーツと装備品に身を包み、いざ訓練へ。 緊張感が高まります。 水越さん 「ツー、タリー(相手を見た)」 「(味方と敵)2機見えないと撃っていっちゃだめだぞ」 水越さん 「タリーツー、2機インサイト(味方も敵も見えている)」 この基地のパイロットが乗るF2の最高時速はマッハ2。音速の2倍の速さに達し、最大で9G、重力の9倍の負荷が全身を襲います。約1時間にわたる過酷な訓練フライトを日夜繰り返し、技術を磨いています。