河村市政の“置き土産”…閉鎖して6年半経った名古屋城天守閣の木造復元どうする?市長選候補者たちの考えは
木造天守閣の建設は進まず、今ある天守閣も老朽化などを理由に閉鎖していて、すでに6年半が経ちます。先の見通しは立っていません。
■「木造復元」候補者の立場は
河村市政の「置き土産」をこの先どうするのかについて、河村前市長の後継者を名乗る広沢一郎さん(60)は、木造復元についても継続・推進の立場です。
広沢一郎さん: 「名古屋城は木造で本物の復元をしてまいりたい。文化財としての価値を損なわない範囲で、どこまでバリアフリーができるかというのはチャレンジですね」 大塚耕平さん(65)は、市民への説明を最優先にし、合意を得てから今後の対応を探ると主張しています。
大塚耕平さん: 「木造復元といっても、今市民のみなさんに正確な事実が伝わっていないので、それをきちっと市長として説明するというところから始めたい」 尾形慶子さん(67)は、財源などを理由に木造復元の中止と、今の天守閣の耐震化を訴えます。
尾形慶子さん: 「天守閣の木造化は莫大な無駄遣いでありますし、大反対です。現在の天守閣を耐震改修すれば、たった29億円でできる」
■毎年1億円の経費も…費用面も問題に
費用面も大きな問題となっていて、木造復元の総事業費は500億円とされています。費用を巡り、河村前市長と市議会は対立が続いていました。 さらに、木造化に使う木材も既に伐採済みで、保管するために2022年度から毎年1億円の経費が掛かっています。復元事業は事実上ストップしているため、今のままでは保管の経費を払い続けることになってしまいます。
■ほかの候補者のスタンスは
・太田敏光(76)さんと水谷昇(61)さん 「木造化を中止して、今の天守閣の耐震化を」 ・不破英紀(64)さん 「時間をかけ慎重に進めるべき」 ・鈴木慶明(85)さん 「財源次第だが総合的に考えるべき」