【箱根駅伝2025予想・全チーム紹介 前編】総合優勝をつかみ取るのは?「3強」など有力6大学の戦力をチェック
復路は、出雲と全日本で連続区間賞を獲得した野中恒亨(2年)、5区候補に挙がっている選手らが入ることになるだろう。復路の戦力には自信を持っているだけに、往路で大きく引き離されないことが3冠達成のポイントだ。 【3強の一角・駒大、それに続きそうなのは創価大】 "3強"の最後の一角、駒大は出雲駅伝と全日本大学駅伝で2位。ともに佐藤圭汰(3年)を欠いたなかで残した結果だ。出雲は國學院大とのアンカー勝負になり、篠原倖太朗(4年)が平林に敗れたが、全日本では強さを感じさせるレースを見せた。 2区終了時でトップから2分23秒も引き離されながら、怒涛の追い上げを披露する。7区ではエース篠原が、青学大・太田、國學院大・平林を抑えてハイレベルの区間賞を獲得。最終8区は山川拓馬(3年)が日本人歴代2位の57分09秒で走破して、國學院大に28秒差まで迫っている。 箱根では2区が篠原、5区は山川が有力。藤田敦史監督は山川を2区に起用したい考えも持っているようだが、山川本人は「68分台を出したい」と"山の神"を目指している。伊藤蒼唯(3年)は1年時に6区で区間賞を獲得しているものの、今回は平地区間の起用も考えらえる。 全日本2区で失速した桑田駿介(1年)は12月1日の日体大長距離競技会10000mで28分12秒02をマークして、自信を取り戻した。上尾シティハーフマラソンでは帰山侑大(3年)が2位(1時間1分59秒)、村上響(2年)が3位(1時間2分04秒)、谷中晴(1年)が4位(1時間2分05秒)に入った。佐藤も箱根には間に合う見込みで、レース全体を占う意味でもキーマンになりそうだ。 3強に迫る戦力を誇るのが、出雲4位、全日本4位の創価大だ。出雲は留学生を起用せずに過去最高順位。全日本も6区終了時で3位につけるなど、箱根駅伝への期待が高まっている。
今季はとにかくエース吉田響(4年)の充実が大きい。出雲2区は駒大・佐藤が持つ区間記録を意識して突っ走り、区間2位に32秒差をつけるダントツの区間賞。全日本も2区で駒大・佐藤が持つ区間記録を目指して、序盤から攻め込んだ。ラスト勝負で青学大・鶴川に敗れて区間賞は逃したが、後続に41秒差をつけるインパクト抜群の走りを披露した。 吉田は、「4年間"山の神"を目指してきたので、5区を68分台で走って、区間記録(69分14秒)を塗り替えたい」と意気込んでいるが、2区抜擢の可能性も十分に考えられる。さらに、前回2区(5位)を担ったスティーブン・ムチーニ(2年)と、全日本8区で区間2位と好走した野沢悠真(3年)も往路候補。そこに出雲と全日本を欠場した小池莉希(2年)が戻ってくれば、目標とする「往路優勝しての総合優勝」に近づけそうだ。 【ほかにトップを狙えそうな2大学は?】 前回3位の城西大も面白い。昨季は出雲2位、全日本5位と3大駅伝すべてでチーム最高順位を更新したが、今季は出雲が7位で全日本が6位。前年を下回ったことで、箱根駅伝の目標を「4位以内」としている。 そのなかでキーマンとなるのが、八王子ロングディスタンス10000mで27 分45秒12を叩き出した斎藤将也(3年)だ。過去2回の箱根は2区を任されているが、櫛部静二監督は5区での起用も示唆している。出雲と全日本で2年連続の区間賞を獲得しているヴィクター・キムタイ(3年)、5月の関東インカレ1部10000mで2位に入った主将・平林樹(4年)ら主力選手は超強力。往路をかき乱す存在になるかもしれない。 前回7位の早稲田大は、出雲で6位(IVYリーグ選抜を除けば5番目)、全日本5位と安定感のある戦いを見せている。そして前回は2区の山口智規(3年)がすばらしかった。12位でタスキを受け取ると、1時間6分31秒(早大新記録)の区間4位で激走して、4位まで順位を押し上げたのだ。5区の工藤慎作(2年)も区間6位と好走して、往路を5位で折り返し、復路も大崩れすることなく7位でフィニッシュした。