【競馬予想】エリザベス女王杯は本命を出し抜いて一発を狙うトップ騎手がズラリ! なかでも注目は?
一方、レガレイラに騎乗するクリストフ・ルメール騎手にしても、いつもどおりの競馬を心掛けるだけ。彼はこの馬の能力を十分に把握しており、京都の外回りならどこから仕掛ければいいかも熟知しています。今回は、最後の直線入り口で馬群がバラけやすいコースということもあって、脚を余す心配もしていないのではないでしょうか。 ――ところで、上がり馬として注目されているホールネス(牝4歳)は、デビューから主戦を務めてきた西塚洸二騎手から坂井瑠星騎手へ乗り替わり。こちらは、鞍上強化の意味が大きいのでしょうか。 大西 勝負の世界ではこうした采配も仕方ありません。騎手の先輩としては、若手の西塚騎手に経験を積ませてあげたいという気持ちもありますが、勝利への期待が強い馬だからこそ、実績のある騎手へスイッチする、というのも理解できます。 ホールネスは先行策から早めに抜け出せる馬なので、坂井騎手との相性も悪くないでしょう。この路線の新星候補として、その走りには注目しています。 ──人気のレガレイラ以外の騎手たちは「一発を狙ってやろう」という気持ちが強くなるとおっしゃっていましたが、その一発を期待できる馬として、気になる馬はいますか。 大西 僕が注目しているのは、武豊騎手が騎乗するハーパー(牝4歳)です。昨年のエリザベス女王杯3着以降、成績は振るいませんが、今回は新たにブリンカーを着用するなど、復活へ向けての試行錯誤が感じられます。 ハーパーを管理する友道康夫厩舎と武豊騎手のコンビと言えば、GI菊花賞で3着に入ったアドマイヤテラや、GI天皇賞・秋で異次元の末脚を繰り出して優勝したドウデュースなど、この秋の大舞台でも好成績を重ねています。このパートナーの強い信頼関係は、大一番のパフォーマンスでこそ際立っているように思います。 ハーパーは前走、20kg増の馬体でした。そこから、ここにはしっかりと絞り込んでGI仕様の仕上げで臨んでくることは間違いないでしょう。ブリンカー効果で集中力が高まれば、大きな変わり身も期待できそうです。 武豊騎手は「京都は庭」というほど、コースに精通しています。昨年3着の実績があるハーパーが「ヒモ穴」として浮上する可能性は十分。押さえておきたい1頭です。
武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku