バナナそっくり 実をつけた植物… その正体は? 専門家は「非常に珍しい」【長野・上田市】
上田市の工場で、3年目にして初めて実をつけた植物。形を見ると、バナナそっくりです雪国・信州で一体なぜ実ったのか。専門家に聞くと、意外な事実が明らかになりました。 ■見に来た人 「本当だ~出来てる~!バ、バナナね」 上田市の、とある工場の一角。高さ2メートル以上ある大きな植物、茎の付け根にはびっしりと房が付いています。その形はまるで、バナナです。 (Qこれは何ですか?) ■新工・池田茂三 社長(73) 「これは私は花だと思っているんですけど、よく分からないんですよ。初めてのことですから」 植えたのは3年前。花と実をつけたのは初めてのことです。 大型機械のフレーム加工などを手掛ける「新工」の池田茂三社長が、青木村の冷凍食品会社から分けてもらったそうです。 なぜかというと… ■新工・池田茂三 社長(73) 「そこがうちの寮なんですけど、寮に外国から来た人がいるので、少し故郷を思い出してもらえればと」 インドネシアやベトナム出身の従業員のために…。池田社長の「親心」です。 ■インドネシア出身・山本キムシさん(34) 「うちの国を思い出す感じで結構すごい。インドネシアでは雑草みたいな感じで勝手に生えちゃうみたいな感じ。だから結構、利用されていてバナナの葉っぱはご飯を包むのに(使う)」 (Qバナナが実ることは期待していなかった?) ■新工・池田茂三 社長(73) 「していなかったです。雰囲気を期待していただけ」 譲り受けた当初は、「実はならない」と言われたそうです。 雪国・信州でなぜ「バナナ」が実ったのか? ■新工・池田茂三 社長(73) 「この異常気象かね。温暖化じゃないですかね。バナナに聞いてみないと分からない」 そこで、バナナの専門家に聞いてみました。すると… ■熱川バナナワニ園・清水秀男さん 「これはバショウですね、間違いありません」 「そんなバナナ!」まさかの、バナナではないことが判明! ■熱川バナナワニ園・清水秀男さん 「花を見れば一目で分かります。先にぶら下がっている黄色いボールみたいなのがありますね、それが黄色いのがバショウ、紫色になるのがバナナなんですよ」 実は3年前、東御市の、ある住宅でも「バナナ」と思いきやバショウだった、という出来事がありました。 たしかに、実もこの時のものとそっくりです。 ■熱川バナナワニ園・清水秀男さん 「バナナは熱帯植物ですけどバショウは温帯植物なんですよ。ですから日本では山形県の方まで作れるんですよ」 ただ、この時期に実を結ぶのは非常に珍しいそうで。 ■熱川バナナワニ園・清水秀男さん 「普通はですね。元気になるのが5月ごろで花が咲くのが大体11月ごろなんですよ。非常に珍しいんですよ」 春先の暑さの影響で早めに花が咲き、さらに、うまい具合に受粉が出来たことが「実を結んだ」といいます。 上田市の工場では従業員一同、しばらく様子を見守るということです。