初の「ツキノワグマ出没警報」 人身被害は過去10年で最多の10件【長野】
クマによる人身被害が相次いでいることを受けて、県は北信地域や上伊那地域など5つの地域に「ツキノワグマ出没警報」を出しました。 ■関昇一郎 副知事(野生鳥獣被害対策本部長) 「ツキノワグマの出没警報への引き上げを県下の地域で決定しました」 県は9日、北信地域や上伊那地域など5つの地域に「ツキノワグマ出没警報」を出しました。長野県としては初めてで1日に「注意報」を延長したばかりです。 県は警報の発出に際し、県民に厳重な警戒を促すとともにクマの誘引物の除去など必要な措置を徹底します。 ■野生鳥獣被害対策本部・塚平賢治 事務局長 「人身被害件数では今年度が10件と最多という状況になっている」 県内でのクマの目撃件数は先月だけで323件。去年同時期と比べ50件近く増加しており、里地での目撃件数は長野地域と上伊那地域で平年の2倍以上となっています。 5日には松川村で女性2人がクマに襲われる事案が発生。 2人は顔を引っかかれて鼻の骨を折るなどの大けがをしました。 ■関昇一郎 副知事(野生鳥獣被害対策本部長) 「引き続き人身被害・農林業の被害の防止に向けて、地域ぐるみでの取り組みをお願いしたい」 県はキノコ狩りなど山に入る際は注意するよう呼び掛けるとともに、クマを人里に引き寄せないよう収穫しない果樹はあらかじめ伐採するなど適切に処理してほしいとしています。