パイレーツ筒香のイチロー氏以来となる逆転サヨナラ弾を両監督が絶賛…米地元紙は来季契約について「監督は強い印象」と見解
パイレーツの筒香嘉智(29)が29日(日本時間30日)、本拠地ピッツバーグ、PNCパークでのカージナルス戦に「6番・ライト」で先発出場し0-1で迎えた4回一死満塁からレフトへ同点犠飛。そして1-3で迎えた9回一死一、二塁の場面でカージナルスのクローザーのアレックス・レイエス(27)の変化球を捉えライト場外へ特大の逆転サヨナラ5号3ランを放った。日本人選手で逆転サヨナラ本塁打を記録したのは、マリナーズ時代のイチロー氏が2009年9月18日のヤンキース戦で打って以来2人目の快挙。筒香は、ドジャースからパイレーツへ16日に移籍後、13試合で打率.333、11打点、5本塁打の大活躍で、二塁打2本、三塁打1本を含めOPS(長打率プラス出塁率)は脅威の1.424となった。エンゼルスの大谷翔平でさえ0.986。全米メディアも筒香の覚醒に注目し、一人で全打点を叩き出した劇的な活躍を大々的に報じた。
「メジャーで苦闘しマイナーに落ちて努力した」
「『凄くうれしい』…ヨシがサヨナラ本塁打を放つ」と筒香のコメントを見出しに取って報じたのはMLB公式サイトだ。同サイトは、パイレーツ、カージナルスの両監督の証言を引用して筒香の活躍ぶりを絶賛した。 記事は「筒香は8月16日の契約以来、平等な出場時間を得てきた。シーズン終盤に選手に機会を与える理由としては、何かしらの強い印象を残してロスターに残す可能性があることを期待するからだ。それは3Aのインディアナポリスから昇格する若い選手たちだけではない。(筒香は)パイレーツが、最近の数週間で何度も言及してきた(期待の)選手の1人となる」と説明。 「筒香のMLBキャリアの始まりは理想的なものではなかった」とし、レイズ時代の2020年は打率.197で(打撃指標の)OPSは.708だったことを記した上で、パイレーツでは27打数9安打、三塁打1本、5本塁打を放っていることを伝えた。 同サイトによると、パイレーツのデレク・シェルトン監督は、「(筒香は)とてつもなく素晴らしいし、この活躍は、ヨシ自身によるものだと思う。彼は日本で本当に優れたシーズンを送ってきた選手。メジャーリーグで苦闘して、マイナーリーグに落ちて努力をして修正を重ねてきた。我々はその恩恵を受けている」と称賛したという。 また筒香が、特にカージナルスを相手に16打数6安打、三塁打1本、4本塁打と“キラー”になっていることを示した上で、カージナルスのマイク・シルト監督のコメントを紹介した。 「彼がメジャーリーグの打者で能力があるということで片付けることはしない。我々の地元で彼がやったことは歴史的なことではなく、(ここまでも)一貫して打ち続けていたのだ。彼に対して良い投球ができず、十分に修正できず、どんな理由にしても良いスイングができる球を投げて、我々にその代償を支払わせたということだ」 遠回しだが敵将も筒香の実力を認めたようである。