地中海式の生活習慣でがんによる死亡率が低下? 新たな研究結果
地中海式ダイエットの健康メリットに関する研究は進んでいて、これまで2型糖尿病、心臓発作、アルツハイマー病のリスク低下につながる可能性が明らかになっている。そして今回最新の研究で、この人気の食事法ががんによる死亡リスクを低下させることが分かったという。 医学誌『メイヨー・クリニック・プロシーディングス』に掲載された研究では、地中海式ダイエットとライフスタイルが全死因、がん、心血管疾患(CVD)の死亡率に与える影響を調査した。研究者らは、英バイオバンクの参加者11万799人の食事、習慣、健康状態を分析。イギリス在住の参加者らの研究開始時の年齢は40~75歳で、心血管疾患やがんを患っていなかった。その後約10年間にわたり、研究者は彼らを追跡調査。地中海式ライフスタイルの実施度合いを3つのブロックに分けて測定したという。 ・地中海料理の摂取量 ・地中海式の食習慣 ・地中海文化に関連した身体活動、休息、社交習慣、陽気さ これら三つの要因すべてが個別に、研究期間中の死亡リスク低下につながった。なかでも、がんと全死因の死亡率がもっとも減少したのは三つ目のブロック(地中海文化に関連した身体活動、休養、社会的習慣、陽気さ)だったそう。その結果、地中海周辺以外のエリアに住む人でも地中海的なライフスタイルを取り入れることは可能であり、健康的な生き方の一部になる可能性がある、と研究者らは結論付けた。
地中海式ダイエットとは?
「地中海式ダイエットのおもな特徴は、全粒穀物、ナッツ類、シード類、豆類、果物、野菜を摂取することです。魚や鶏肉、卵、乳製品も、週に何度か摂取します」と話すのは、業界団体「アカデミー・オブ・ニュートリション・アンド・ダイアビーティックス」のメディア広報担当やヘルスメディア『プリベンション』の医療審査委員会のメンバーとして活躍する栄養士のメリッサ・プレストさん。おもな脂肪の選択肢はオリーブオイルです、と彼女は補足する。 赤身肉は制限されていますが、完全に禁止されているわけではありません、と話すのは、『ザ・スモール・チェンジ・ダイエット』の著者で、登録栄養士のケリー・ガンズさん。さらにこの食事法では「加工食品を最小限に抑えることも推奨」されている。