中日にCS進出可能性は残されていないのか
直接対決は残り4試合
広島の初のクライマックスシリーズ進出が、いよいよ現実味を帯びてきた。 9月17日のゲーム終了時点、5.5ゲーム差で追う中日に逆転の可能性はあるのか? このまま広島が逃げ切ることができるのか? 中日、広島の両方のOBである評論家の高代延博さんが、先日、名古屋のテレビ局の企画でテレビ版の「中日vs広島」戦を対談方式で行なったという。高代さんは、中日代表として意見を言い、一方、広島代表しては、元エースの佐々岡真司さんが選ばれた。その時の話を交え中日の逆転の可能性を検証してみたい。 高代さんはクライマックス進出チームの条件を2つ挙げた。 1、残り10試合の時点、2ゲーム差以上で上にいる。 2、計算できる絶対的エースがいる。 両チームの直接対決は、残り4試合である。2ゲーム差という数字は、そこから弾き出されたわけだ。広島は、9月14日からの3連戦で巨人を3タテしたが、まだ対戦成績は6勝11敗と分が悪い。相性の悪さを払拭したとも考えられるが、そのカードを4試合残していることは不安と言えば不安材料だ。 一方の中日は、今回の巨人戦を終えると、阪神3試合(9勝11敗)、横浜4試合(9勝11敗)を残している。どちらも2つ負け越してはいるが、特別な苦手意識はない。それなりの星勘定は残せるだろう。巨人頼みの他力だが、広島が巨人に再び飲み込まれればゲーム差が再び縮まる可能性もある。 計算できるエースとしては広島には前田健太がいる。対中日に今季3勝0敗で、しかも、防御率は、0.00。残り4試合のうち、2試合にぶつけてくることが予想される。そうなれば、中日にもう勝ち目はない。 一方、中日のチーム勝ち頭は、大野の9勝。しかし、その大野は対広島には3勝3敗だ。高代さんは「中日には絶対的なエースがいなくて、マエケンにひとつも勝てていない。おそらく(マエケンが)2試合に投げてくるだろう。ということは、ゲーム差は縮まらない」と見ている。 中日には、さらなるウイークポイントもある。 佐々岡さんは、広島有利の理由を高代さんにこう語っていた。 「今の中日には怖さがない。アライバがいなくなって、何をしてくるかわからないという部分がなくなった。非常に相手として戦いやすい」 荒木、井端のベテランコンビの不在、不調は、勝負のかかった局面では痛い。ルナが欠けたことで、本来打てなかった打線の得点力は、さらに弱体化している。アライバの代わりに起用されている若手にも勢いよりも調子の波の大きさの方が目立っている。