輪島市の様子（9日）

能登半島地震からまもなく1カ月。多くの人が避難生活を送る中、家族同然のペットをどう守るかも課題になっています。阪神淡路大震災を機に保護活動に取り組む女性は、飼い主も万が一への「備え」が必要だと指摘しています。

池田さん宅の犬（松本市）

子犬3匹： 「キャンキャン」 松本ドッグレスキュー・池田良子さん： 「昨日まで4匹いたんですね。1匹はもらい手がついて」 松本ドッグレスキューの代表・池田良子さん（動物愛護会松塩支部・理事）の自宅。子犬たちの親「カール」は多頭飼育崩壊の現場から救出された犬です。保健所の要請を受け、12匹を預り、妊娠していた「カール」以外は新たな家族を探して譲渡しました。 「カール」は4匹を産みましたが、2匹は重い心臓病を患っていました。今、手術の費用集めもしています。

多頭飼育崩壊で保護された犬などを預かる

他に飼育放棄や徘徊で保護された犬も。池田さんの家には今、7匹います。保護に係る費用は塾講師と動物病院での仕事を掛け持ちするなどして工面しています。

「カール」と池田さん

松本ドッグレスキュー・池田良子さん： 「普通なんです、私にとっては。できるかぎりのこと、やれるならやりたい。嫌だと思ったことはないですね。それ以上に素敵な出会い、人との出会い、犬との出会いありましたから、それがエネルギーになった、頑張れた」

保護活動の原点は阪神淡路大震災

活動のきっかけは阪神淡路大震災（1995年）

池田さんの活動の原点、それは1995年の阪神淡路大震災です。被災地の報道が続く中、ある映像が目に留まりました。 松本ドッグレスキュー・池田良子さん： 「動物病院の映像が映りました。犬がいっぱい入ってるんですよ。命が存続できないっていう（ことを聞いた）時に、単純発想で何とかしたいと、無謀なことを考えちゃった」

池田さん宅の犬（松本市）

仲間を募って、トラックで神戸の隣・三田市の牛舎へ。そこには行き場を失った犬が100匹ほど集められていました。 松本ドッグレスキュー・池田良子さん： 「行ってびっくりしたのはみんな弱っている成犬でしたね。人の方が大変でいたんですから、食事も十分だったとは言えないと思いますね。連れてくる途中で危なくなるかもしれないねって、すごく悲しかったです」 27匹を連れて帰り、引き取り手を募ると、幸い多くの家庭が名乗り出てくれたと言います。 松本ドッグレスキュー・池田良子さん： 「（現地では）動物だけがそこにいるって形で、飼い主さんはわからない。あとで向こうの獣医師さんが伝えてくれたみたいで、こういう方が連れていきました、保護しましたって。 ものすごく喜んでくださっていたっては話はあとで聞きました」 その後、「松本ドッグレスキュー」を立ち上げ、以来29年、保護犬活動に力を入れてきました。