ヤクルト、待望の「満額1位」中村優斗が加入 田中将大の不要を証明だ 高津監督も好印象「体の力感じた」
コマ不足のヤクルト先発投手陣に待望の〝満額1位〟が加わった。今オフに楽天を退団した通算197勝の田中将大投手(36)の獲得を見送った、球団の判断を正解へと導けるか。 【写真】ヤクルトから2位指名を受け、家族5人とポーズをとる豊川高のモイセエフ・ニキータ外野手 ヤクルトは4日、東京都内でドラフト指名した9選手をお披露目した。1位の中村優斗投手(21)=愛知工大=は「来年から神宮で戦力として投げたい。1年目に開幕1軍をつかみ取って、しっかり1軍に定着できれば」と抱負。身長176センチながら最速160キロを誇り、3月には日本代表にも選ばれた右腕に対し、高津監督は「パワーピッチャーなので、背は特別大きくないけど体の力を感じた」と好印象を語った。 球団で成功例が続く〝満額1位〟であることも期待感を強める。ドラフト1位とは上限の契約金1億円プラス出来高、年俸1600万円で契約する球団が多いなか、ヤクルトは外れ1位なら満額を出さない方針で一貫。橿渕スカウトデスクが「他球団のことは分からないが、うちはそういう方針。清水、木沢、山下、西館には納得してもらって入団してもらっています」と説明する通り、4人とも契約金は9000万円だった。1球団しか1位指名を公表しなかった今秋はドラフト戦略がはまり、唯一の一本釣りで中村の獲得に成功。2019年の奥川、22年の吉村以来の〝満額1位〟には、両投手に続いてローテ入りの期待が膨らむ。 なお、独自のドラフト1位への提示条件ルールは、「他球団から『ヤクルトさんはどういうふうにやっているんですか?』と聞かれることもある」とあるスカウトが明かすように、他球団にも追随の流れが。今秋のオリックス1位の麦谷祐介外野手(富士大)は契約金9000万円、年俸1500万円だった。 (塚沢健太郎)