【闘病】筋肉に力が入らず、道端で倒れて血だらけになったことも《皮膚筋炎》
体と心はつながっていて、切っても切れない
編集部: 病気の前後で変化したことを教えてください ナンシーさん: 祖母がリウマチだったので、自分も自己免疫疾患になり祖母の痛みを体感して「人の痛みってその人以外は分からないものなんだ」と気が付きました。また、「ちょっと無理をして頑張ることが人生の醍醐味」と思っていた節があったのですが、病気になって変わりました。張りつめたり、思いつめたり、強情な気分が長く続いたりするときは、うまくガス抜きをするように自律神経をいたわろうと、自分のことを気にするようになったと思います。体と心はつながっていて、切っても切れないとすごく体感しました。 編集部: 現在の体調や生活はどうですか? ナンシーさん: 薬の服用は今もあります(取材時)が、寛解状態です。「更年期かな?」という不調と、薬の副作用と思われる高血圧で薬がまた増えた今日この頃です。自覚症状はまったくなかったのですが、一部間質性肺炎のあとがあったとのことで、レントゲンで定期的に状態を確認してもらっています。 編集部: 医療機関や医療従事者に望むことはありますか? ナンシーさん: 体調の変化や症状を相談した際、はなから更年期のせいだろうと決めてかからないでほしいです。先日、唾液が減ったと感じていた原因はシェーグレン症候群だったことが判明しました。相談はしていましたが、歯科医も主治医も更年期としか見ていませんでした。自分から検査を要望したことで原因がわかったのです。確かに更年期症状の出る年齢ですが、病気が隠れている可能性も否定しないでいただきたいです。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 ナンシーさん: 現在、私自身の症状は落ち着いていて、ありがたいことに難病ということを忘れる時もある程です。しかし、八代亜紀さんの訃報ニュースを耳にしたとき、彼女の病名を聞いてハッとしました。皮膚筋炎の抗体の種類によっては症状の出方もそれぞれで、人によっては進行も急激で命とりだということを頭に入れておこうと思っています。急に不安に襲われた時など、健康な人に相談したくても鬱陶しく思われそうでなかなかできません。私はそんな時、同じような病気の人のブログがとても励みになっています。自分も発病の兆候があった頃から入院、退院、通院としばらく備忘録にと思って心と体の痛みを素直に書き出していくと、考えも整理され客観的な目線を持つこともできました。誰かに見てもらえたことも、病気と闘う自分の救いに繋がっていた気がします。病気を知って受け入れていく辛い過程の中で自分だけの闘病記を綴ってみるのもおすすめです。