【給湯器の点検トラブルが前年の3倍】 実家の母が市役所委託の業者から「交換が必要」と言われました。詐欺か確認するにはどうしたらいいですか?
近年急増している点検トラブルを装い修理費用の不正請求する「点検商法」では、高齢者世帯を中心に狙われており、被害を受ける方も少なくありません。未然に被害を防止するには、本人や周囲の人が事前に点検商法の手口を知っておく必要があります。 そこで本記事では、点検商法と本物の業者の見分け方や点検商法に遭った場合の対処について解説します。
本当に市役所委託か確認しよう
業者の「市役所から委託されて」「◯◯メーカー公式の者で」といった言葉を信じ込んではいけません。名前は偽名をかたることができ、名刺も簡単に偽装できます。確認するにしても、必ず家には入れず、点検も一度は断りましょう。点検の電話を持ちかけられても、安易に応じてはいけません。 一度断ったうえで、公式メーカーや消費者センターに連絡しましょう。そもそも、市役所が業者に給湯器の点検を委託することはありません。市役所と給湯器の点検は無関係なため、市役所の委託と口にする点検は点検商法とみてよいでしょう。 ■その場で契約や修理を迫ることはない 原則として、点検を担当するメーカーの者であっても、突然訪問して点検・修理・交換を迫ることはありません。依頼もなく訪問することもなく、あったとしても必ず事前に予約の電話があります。 覚えのない点検業者や相手からかかってくる電話は、基本的に点検商法とみてよいでしょう。携帯の番号から電話がかかってきて判別がつかない場合は、会社のフリーダイヤルからかけ直してもらう方法がおすすめです。 ■給湯器以外のパターンにも注意 点検商法は、給湯器だけとはかぎりません。配管業者や建設会社などさまざまなパターンがあるため、間違って対応しないよう注意が必要です。 警視庁や各自治体が公表する事例では、以下のパターンも実際にあったそうです。 ●「配水管が詰まっていませんか」と市役所の委託を受けているという訪問販売業者が来訪した ●「無料点検をしている」等と言って訪問して来たことから、床下の点検をさせたところ、「土台の上に乗っている木が腐っており、このままでは家が傾く。工事が必要だ」等とうそをつかれ、不必要な工事をされた。 ●床下点検に来た事業者から「シロアリがいる」と言われ、防湿工事をすすめられた 詐欺や悪質業者の手口は、常に変化します。基本的に相手から持ちかけてくる修理や点検の話は、真偽が確認できるまで断ったほうがよいでしょう。