UBS証、元ニッセイAMの吉田氏ら3人採用-地方金融向け営業強化
(ブルームバーグ): UBS証券はニッセイアセットマネジメントで機関投資家商品・戦略グループヘッドを務めた吉田英一郎氏ら3人を採用した。地域金融機関向けにそれぞれのニーズに応じた運用商品などを提供するソリューションビジネスを強化する取り組みの一環。
ブルームバーグが入手した同証のリリースによると、吉田氏は1日付でグローバルマーケッツ本部副会長に就任した。また、HSBC証券で金融法人営業本部のソリューション営業部長を務めた真田修平氏が市場営業部地域金融法人営業部長に就いた。バークレイズ証券で金融法人営業を担った佐藤寛哲氏も入社した。
UBS証の黒田直宏グローバルマーケッツ共同本部長は「今回の採用はUBSの日本におけるソリューションビジネスに対するグローバルレベルでの強いコミットメントの表れだ」とした上で「営業力を飛躍的に強化する」と電子メールでコメント。商品の組成やトレーディングなどの機能についてはクレディ・スイスとの統合により「満たすに至った」と述べた。
少子高齢化や低金利を背景に地方銀行などは収益基盤強化のため資金の運用先を多様化している。そのため、外資系金融機関が得意とする高利回りの仕組み債やデリバティブ(金融派生)商品の販売を強化するため人材の獲得競争は激化している。
UBS証は昨年、ゴールドマン・サックス証券でストラクチャリングなどを担当した王穂澄氏を採用。他方、モルガン・スタンレーMUFG証券とソシエテ・ジェネラル証券はUBS証から人材を採用した。
日本銀行が追加利上げの時期を探る中、国債などの利回り上昇(価格は下落)が見込まれることから、損失リスクを回避するために地銀などは債券投資ポートフォリオの再構築を迫られている。ブルームバーグ・インテリジェンスの伴英康アナリストは「デリバティブを組み合わせた債券ポートフォリオの構築を提案できる人材のニーズはとても高まっている」との見方を示した。
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Takashi Nakamichi