阪神・掛布雅之新OB会長就任、大山よ4番譲るな! 気持ちで数字で引っ張れ!
「阪神タイガースOB会定時総会・懇親会」が30日、大阪市内のホテルで行われ、川藤幸三氏(75)が退任し、掛布雅之氏(69)が第8代OB会長に就任することが決定した。ミスタータイガースは国内フリーエージェント(FA)権を行使し、29日に残留を表明した大山悠輔内野手(29)へ、全試合4番出場を指令。チームの中心として「数字で引っ張っていってもらいたい」とゲキを飛ばした。藤川球児新監督(44)も出席し、大山に期待を込めた。 来季90周年の節目を迎える虎に、新たなOB会長が誕生した。第8代として就任したのはミスタータイガース・掛布氏。歴史を紡ぐチームを新たなポジションから支えていく。 「あまり近すぎても、離れすぎるのもまずいと思います。球団の方たちといろいろと話をしながら、いい距離感を持って付き合っていくということが大切なことだと思います」 1974年に習志野高からドラフト6位で阪神に入団し、虎一筋で15年間プレー。通算349本塁打を放つなど球史に残る活躍を果たした。引退後、2軍監督などを歴任してきた新OB会長にとっての願いは、もちろんV奪回。まずは自身も務めた虎の4番がチームに残ったことを喜んだ。 「大変うれしかったし、悩んだと思うけど、いい答えを出したと思う」 国内FA権を行使した大山が29日に残留を表明した。掛布氏が2軍監督だった2017年に指導したのが当時ルーキーの大山。〝教え子〟に向け、「4番として全てのゲームに出るぐらいの気持ちを持ってチームを引っ張っていってもらいたい」とゲキを飛ばした。 1年目の大山は6月以降に1軍の舞台に巣立ったが、プロの壁にぶつかることも多かった。そんなときに支えとなったのが4番・福留の存在。偉大な先輩の背中を見て育ち、プレッシャーを和らげてもらいながら戦った時期がある。掛布氏は「大山も福留とかに(重圧などから)守られた経験がある」と振り返る。チームの中心となる4番がいたからこそ、大山はFA権を取得できるまでにキャリアを重ね、そしていまは佐藤輝、森下と頼もしい後輩たちの背中を見られる立場となった。 昨季は全試合で4番に座り、チームを18年ぶりのリーグ優勝&38年ぶりの日本一に導いた。今季はスランプなどで4番を明け渡す時期があり、チームはV逸。だからこそ、一年間4番を務めることがいかに大事か-。掛布氏は大山に「リーダーとして、どのポジションに就いてもその2人を守っていける経験がありますよ」と太鼓判を押した。これまで以上にチームを、若虎を引っ張り、歴史に名を刻む存在として戦ってくれることに期待を膨らませる。