東海大系列、似通うユニホーム 見分け方も話題に 選抜高校野球
「どっちがどっち?」――。兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催中の第93回選抜高校野球大会は第2日の20日、1回戦で東海大相模(神奈川、2年連続12回目)と東海大甲府(山梨、5年ぶり6回目)の「東海大系列校対決」がセンバツで初めて実現した。延長十一回の末、東海大相模が3-1で競り勝った熱戦は、系列校ゆえにユニホームが似通っていることから、試合開始直後からネット上では驚きや戸惑いの声が上がった。 【これがタテジマのプライド「東海大」対決】 ともに縦じまで、胸に筆記体で「Tokai」の文字が入った薄いブルーのユニホーム。「甲府」の方がわずかに青色が薄いのだが、ほぼ見分けがつかない。二回表裏の開始時にスタンドに流れる校歌も同じメロディー。ネット上では「ユニホームが同じでどっちがどっちか分からん」「同じチームの紅白戦みたい」といった投稿や、「スパイクの色が白が東海大相模、黒が東海大甲府」と見分け方を伝える声もあった。 両校は昨秋の関東大会準々決勝でも対戦しているが、その際は東海大甲府のユニホームがもっと薄い水色だった。しかし、センバツ出場に合わせて東海大甲府がユニホームを新調し、より青に近い色へと変更したことで「相模ブルー」と似通うことになった。 ただ、選手たちに戸惑いはなかったようだ。東海大相模の柴田疾三塁手は「プレーに支障はなかった」、東海大甲府の3番打者・木下凌佑左翼手も「やりにくさはなかった」と影響のなさを強調。敗れた木下選手は「日本一を目指していたので、勝った相模には日本一を目指して頑張ってほしい」とライバルに思いを託した。 甲子園でユニホームが話題になったのは、2002年夏の全国選手権3回戦での智弁和歌山と智弁学園(奈良)の「智弁対決」。ユニホームの違いは袖に刺しゅうされた校章と県名のみで、見た目はほぼ同じ。当時はストッキングの色を変える声も出たが、審判側が「見分けられるから問題なし」として変更はされず、試合もトラブルなく終わった。 ラグビーやサッカーの場合、互いを見間違わないようセカンドユニホームを使用し、プロ野球でもホームとビジターで異なる。しかし、高校野球では「大会で使用するユニホームは1大会1種類とする」との規則がある。複数用意すると経済的負担が増えることや高校野球にはホーム、ビジターが存在しないことが理由のようだ。 これまでセンバツには計11校の東海大系列校が出場しており、今回は東海大菅生(東京)を含めて3校が出場。夏の甲子園での東海大系列校の対決は、1983年1回戦の東海大一(現・東海大静岡翔洋)―東海大二(現・東海大熊本星翔)がある。【安田光高、新井隆一、森野俊】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。