ホコリが火災を引き起こす? 年末に見直したい配線器具の安全対策【NITE調べ】
年末が近づき、多忙を極めるこの頃だが、なかには少しずつでも時間を捻出し、大掃除に向けて掃除を始めている人もいるだろう。その際、まず取り組んでほしいのが、配線周りの掃除と点検だ。製品評価技術基盤機構(NITE)の調査によると、配線器具関連の事故が毎年発生しており、特に火災事故が多いという。詳しい調査内容を見てみよう。 【画像でわかる】スマホ充電やパソコンの配線機器による火災事故が5年前の約2倍に!
配線器具の事故のうち、火災発生件数は8割強!
NITEに寄せられた製品事故情報のうち、配線器具の製品事故は2019年度から2023年度までの5年間で153件だった。2021年度以降は毎年30件以上の事故が発生しており、高止まりの傾向が続いている。製品事故に伴い火災事故が発生しているケースも多く、5年間で125件と全体の約82%にものぼる。
被害状況別の事故件数、()は被害者数。物的被害(拡大被害(※1)または製品破損)があった場合でも人的被害のあったものは、人的被害に区分している。また、人的被害(死亡・重傷・軽傷)が複数同時に発生している場合は、最も重篤な分類で事故件数をカウントし、重複カウントはしていない。 (※1)製品本体のみの被害(製品破損)にとどまらず、周囲の製品や建物などにも被害を及ぼすこと
125件の火災事故のうち、利用者の使い方や設置状況により事故に至ったケースが46件もあったことは、注視しておく必要がある。なかでも、「ほこり、水分の付着や液体などの浸入」による事故が19件と最も多く、次いで「外から力が加わるなどで電源プラグ栓刃(電源プラグから出ている金具部分)と刃受け金具との接触不良」が13件と続いた。どのような状態が危険なのか、次に詳しく見ていこう。
ほこり掃除ついでに、電源プラグの変形やコードの断線がないか、安全面もチェック
コンセントや電源プラグの周囲、隙間や内部にほこりや水分が付着したまま使用すると、プラグ栓刃間で火花放電が生じ、最終的にはショートを起こして発火するトラッキング現象が起こる危険性がある。 そこで、ほこりなどの汚れを取り除く必要があるのだが、必ず掃除をする前に、コンセントや電源タップから差込プラグを抜き、安全に作業に取りかかろう。また、アルコールスプレーなどの洗浄液が直接電源プラグにかかるとショートやトラッキング現象が生じるおそれがあるため、“から拭き”が鉄則だ。