<高校野球>32校に春の便り 選考の理由は? 第92回選抜高校野球
一足早く春の便りが32校に届いた。大阪市北区の毎日新聞大阪本社で24日開かれた第92回選抜高校野球大会の選考委員会で、一般枠29校、21世紀枠3校の出場校が決まった。10回以上の出場は11校で前回大会より3校増で、中京大中京(愛知)は歴代単独2位の31回目、同4位の県岐阜商は29回目に伸ばした。初出場は春夏を通じて初めての加藤学園(静岡)など5校で、前回より3校減となった。 【写真特集】センバツ歴代応援イメージキャラクター 選考経過は次の通り。 ◇北海道 北海道大会で優勝した白樺学園が選出された。同大会全4試合で42得点、チーム打率4割3厘をマークし、1番・川波をはじめ打線に厚みがあると評価。伸びのある直球とスライダーなど多彩な変化球を持つエース・片山、決勝で好救援した坂本武の両右腕も重視された。決勝で白樺学園と打撃戦を演じた札幌日大が補欠に回った。 ◇東北 東北大会優勝の仙台育英は攻撃力を評価され、最初に選ばれた。昨夏の甲子園8強メンバー7人が残り、東北大会4試合で68安打35得点。安定感抜群の向坂、昨夏の甲子園で4試合に登板した笹倉の両左腕を中心に投手層も厚く、走塁の精度を上げれば全国で上位を狙えると太鼓判を押された。同大会準優勝の鶴岡東は4試合全てで1イニング5点以上を挙げるなど集中打が光り、上位から下位まで切れ目のない打線が認められた。 ◇関東・東京 関東大会4強をまず選出した。初優勝の健大高崎は2完投のエース左腕・下に加え、決勝は191センチ右腕・橋本拳が6安打完封。投手の2本柱確立が評価された。準優勝の山梨学院は粘り強く、足を絡めた攻撃で支持を集めた。1番・鵜沼、4番・西川ら全国屈指の強力打線を持つ東海大相模、小技を効果的に駆使する桐生第一の4強勢が続いた。また、東京大会2連覇の国士舘は準決勝と決勝を連続完封した右腕・中西の安定感が買われた。 関東大会8強勢の中では山梨学院に惜敗した花咲徳栄が力があるとされ、東京大会準優勝の帝京との比較で6校目を選考。関東一、日大三と強豪を退けて8年ぶりに決勝進出の帝京も印象的との声もあったが、決勝では2安打に沈黙。左腕・高森、4番・井上と投打の柱がいる花咲徳栄は総合力が高く、分があると判断された。 ◇東海 東海大会決勝に進んだ2校がまず選ばれた。明治神宮大会も制した優勝校の中京大中京は最速148キロ右腕・高橋宏ら投手陣、3番・中山や4番・印出が中心の打線はともに強力と認定。準優勝の県岐阜商はヒットエンドランを多用するなど機動力が光り、決勝で4点差を追い付くなど粘りも買われた。3校目は4強の加藤学園と藤枝明誠を比較。準決勝で県岐阜商と延長戦を演じた加藤学園が、右腕・肥沼の安定感もあって上回るとされた。 ◇北信越 北信越大会優勝の星稜が最初に選ばれた。スライダーが切れる荻原、本格派・寺西の両右腕はともに安定。打線も切れ目がないと評価された。2校目は決勝で1―19で敗れた日本航空石川、4強の佐久長聖と北越、8強ながら投手力の高い敦賀気比を比較。準決勝でともに大敗した佐久長聖と北越は印象が悪く、日本航空石川が準々決勝で敦賀気比を7―3で破った実績を買われて入った。敦賀気比が補欠1位、佐久長聖が同2位になった。 ◇近畿 近畿大会4強がまず順当に選ばれた。優勝した天理は全4試合で8本塁打、38得点の強打に加え、右腕・庭野が3完投と安定感があり、投打のバランスが良いとされた。準優勝の大阪桐蔭は切れ目のない打線に加え、昨秋の公式戦11試合で1失策の堅守も評価された。昨夏の甲子園優勝に貢献した右腕・岩崎が健在で、打線のどこからでも得点を狙える履正社、近畿大会3試合で5本塁打と強打の智弁学園も選出された。 8強組の中では、昨年に春夏連続甲子園4強に貢献した最速151キロ右腕・中森、強打の1番・来田を擁する明石商が5番目に決定した。最後の1枠は智弁和歌山と京都翔英を比較。智弁和歌山は智弁学園との準々決勝で13―17と打撃戦となり、投手陣に課題はあるが、得点能力の高さを評価。京都1位の京都翔英は準々決勝で八回コールド負けしたが、それが響いたわけではなく、投打ともに智弁和歌山が上回ると判断され、京都翔英が補欠1位となった。 ◇中国・四国 中国大会で初優勝した倉敷商を最初に選出した。延長戦2試合を制した勝負強さや右腕・福家と左腕・永野の安定感が評価された。3番・河西、4番・吉田らの強力打線で準優勝した鳥取城北が続いた。 四国は明徳義塾が最初に選ばれた。左腕・新地は低めへの制球が良く、打線も積極性があり、四国大会4試合で40得点4失点と圧倒的な強さで制した戦力が評価された。2校目には集中打と堅守で準優勝した尽誠学園が入った。 中国、四国両地区を合わせた5校目は、制球力の高い左腕・秋山を擁する広島新庄と、四国大会で2勝して4強入りした岡豊を比較。投手力に加え、倉敷商と中国大会準決勝で延長戦を繰り広げた広島新庄が上と判断された。補欠校は中国が創志学園と矢上、四国は岡豊と新田がそれぞれ選ばれた。 ◇九州 九州大会の4強が順当に選出された。優勝した明豊はエース左腕・若杉がけがで不調の中、全4試合で2桁安打、計43得点の打線がカバー。沖縄尚学との準々決勝で九回に3点差を逆転した粘り強さも認められた。準優勝の大分商はエースで主将の本格派右腕・川瀬が準決勝まで3試合を完投し、いずれも3失点以内に抑えた安定感が支持を集めた。4強の創成館は小技や機動力を駆使した攻撃に加え、3試合で無失策の守備が高い評価を受けて3番目。4強の鹿児島城西は140キロ台の直球を持つ八方、前野の両右腕の安定感や2本塁打を放った古市らの長打力が光り、最後の枠に滑り込んだ。明豊を苦しめた沖縄尚学が補欠1位、宮崎日大が同2位となった。 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、全31試合をライブ中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。デジタル紙面では出場決定号外も無料で配信します。