離島の教育環境を確認 盛山文科相が大高など視察 奄美大島
離島の教育環境確認などを目的に、盛山正仁文部科学相が4日、鹿児島県の奄美大島を訪れた。文科相の奄美訪問は2021年以来。今回は5日までの2日間で同島と徳之島を視察する。初日は奄美大島内の各施設を訪問。奄美市名瀬の奄美博物館で奄美の歴史や文化に理解を深めたほか、県立大島高校を訪れ「この島の魅力、日本の魅力とは何か」をテーマに生徒らと座談会を行い意見を交わした。 盛山文科相の奄美訪問は、教育分野でのICT(情報通信技術)の活用状況や高校の探究活動など、離島の課題解決へ向けた特色のある取り組みの確認が目的。文科省職員のほか、県の地頭所恵教育長らも同行している。 初日に訪れた奄美博物館では、同館の喜友名正弥学芸員が盛山文科相を案内。奄美群島の成り立ちや世界自然遺産登録の概要、年間行事や食文化、日本復帰運動などについて解説した。
大島高校では生徒16人が、今年3月に設置された奄美群島高校探究コンソーシアム主催の「高校生サミットIN奄美」の概要や「総合的な探究の時間」での研究結果を報告。盛山文科相は自身の学生時代の経験を振り返りながら「好奇心を忘れずに」などと生徒らを激励した。 生徒らとの座談会は非公開。視察後の取材に対し、盛山文科相は「(群島内の)高校が大学や企業と連携して研究開発を行い、知見を共有していくという、地域全体の発展に役立つことを考えた取り組みをしていることに驚いた」と述べた。 今年3月の高校生サミットで生徒実行委員長を務めた福﨑心結さん(3年)は「緊張したが、自分たちがやってきた活動や大島高校の取り組みをしっかり伝えられた。探究活動を通して社会問題について考える機会が増えたので、後輩たちにも機会を活用してほしい」。生徒会長の林海心さん(2年)は「多くの経験をされている大臣から聞けた言葉をこれからの自分たちにつなげ、さらに大島高校を発展させたい」と意気込んだ。 貴島邦伸校長は「コンソーシアムを特色ある実践的な学びであると評価していただきうれしく思う。参加した生徒たちが奄美、日本の魅力について大臣と語り合う姿を見て感動した」と話した。 盛山文科相らは同日、瀬戸内町の東京大学医科学研究所奄美病害動物研究施設も視察した。